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2017年のF1イタリアGPは、メルセデスの圧倒的な速さを見せつけた。ルイス・ハミルトンはポール・トゥ・ウィン、4番手スタートのバルテリ・ボッタスが2位に入り、フェラーリのお膝元である敵の本丸モンツァで1-2位フィニッシュを果たした。
ピットストップの際に一時的にボッタスにトップを譲るも、それ以外はハミルトンが終始ラップをリードした。ボッタスはスタート直後にライコネンに抜かれるも、2周目にはそのポジションを取り戻し、その後前の2台をあっさりと抜き去り早々に2位の座を確保した。抜けないサーキットでのボッタスのオーバーテイクは、まさに別カテゴリと言うに相応しいものであった。
ハミルトンは夏休み明けに2連勝を挙げ、チャンピオンシップでベッテルを抜きトップに躍り出た。ボッタスの活躍により、コンストラクターズでは43ポイントを稼いだ。ハミルトンを脅かす敵はおらず、タイヤを酷使することなく快適な走りだったと、余裕のコメントを残した。
次戦のシンガポールGPはエンジン性能があまりタイムに影響しない市街地サーキット。レースを終えたメルセデスのトト・ウォルフは、シンガポールはダメージリミテーション(ポイントの取りこぼしを出来るだけ少なくすること)のグランプリであり「あらゆる手段の可能性を排除しない」と語り、改めてチームオーダーの発動を匂わせた。
モナコに似たレイアウトを持つマリーナ・ベイ市街地コースは、ロングホイールベースのメルセデスにとっては相性の悪いサーキットだと考えられている。今年のモナコではメルセデスがタイヤの熱入れに手こずり、フェラーリが1-2を決めている。
イタリアGPを終えて、ハミルトンとボッタスが発表したコメントを以下に紹介する。
メルセデス:イタリアGP決勝を終えて
ルイス・ハミルトン決勝: 1位, グリッド: ポールポジション
今年が信じられない程エキサイティングなシーズンだって事は言うまでもないよ。ここ2レースの僕らは本当に強い。シーズン後半にここまで一致団結してるのは最近じゃ珍しいんじゃないかな。今日の車は特に第1スティントで素晴らしかったんだ。後ろの車との差が少しあったから、タイヤを労ってライフを延ばすのは簡単だったよ。
バルテリがすごく良い仕事をしてくれて、1-2位フィニッシュ出来た。2連勝はすごく久しぶりだし、今シーズンは僕が初めてだよね。チャンピオンシップをリードするっていうのは最高だよ。でも今シーズンのフェラーリは本当に速いし、高ダウンフォースのサーキットは特にそうだよね。戦いはまだ続くし接戦になるだろうから、最後のチェッカーフラッグまで”ビースト・モード”で戦うよ。
バルデリ・ボッタス決勝: 2位, グリッド: 6番手
4番手でスタートして2位でゴール出来た事にすごく満足してるよ。本当に嬉しいのはチームの1-2位フィニッシュだ!僕の方はスタート直後に1つポジションを失ったけど、良い決勝レースだったと思う。幸いにも、かなり早い段階でウィリアムズとフォースインディアを抜くことが出来た。そこからのペースは素晴らしかったし、すごく楽しめたよ。
今日の車はほんとに強かったし、表彰台に上がれて最高だったよ。一番とは言わないまでもモンツァはF1の表彰台で間違いなく最高の場所の一つだよ。何しろものすごい雰囲気なんだ。声援はすごいし、ファンの数は圧倒的だし…皆にもぜひ体験してもらいたいよ。とは言え、まだやるべき仕事がたくさんあるんだ。この先のレースはフェラーリと一層接戦になるだろうからね。
2017年第13戦イタリアグランプリ決勝レースの詳細については、F1イタリアGP《決勝》結果とダイジェストを参照されたい。