心臓止まったでしょ?と笑み、フェラーリお膝元での壮絶3位争いを振り返るルクレールとサインツ
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モンツァを舞台に行われたF1第15戦イタリアGPのレース終盤は、ピットウォールに座るフェラーリのスタッフや、スタンドを埋め尽くしたティフォシの眼の前で心臓に悪い壮絶な3位争いが繰り広げられた。
予選でポールポジションを獲得し、スタートで先頭を死守したカルロス・サインツは、背後に迫るマックス・フェルスタッペンの猛追を15周目まで凌いだが、もう一台のレッドブルRB19を駆るセルジオ・ペレス共々、守り切ることはできず残り7周で3番手に後退した。
その後チェッカー・フラッグが振られるまで、赤き跳馬「SF-23」を駆るサインツと僚友シャルル・ルクレールは3位表彰台を争い、接触スレスレの激闘を演じた。
サインツはターン1で一旦、ルクレールにポジションを奪われるも、続くターン4に向けて3番手を奪還。手に汗握る争いは最後まで続いた。
The @ScuderiaFerrari team mates holding NOTHING back ⚔️
Pure adrenaline, and millimetres between them!#ItalianGP #F1 pic.twitter.com/AZ1filAOrM
— Formula 1 (@F1) September 3, 2023
もし接触してティフォシの前で2台ともがリタイアなんてことになったら…などと気が気でないチーム側の思いとは裏腹に、両ドライバーは戦いを楽しんでいた。
「キツかった、きつくてハードなレースだった」予選でのポールを経て、大勢のフェラーリファンのおとぎ話のような母国優勝への期待とプレッシャーを背負ってレースに臨んだサインツはこう語った。
「でも、シャルルとのバトルはいつも楽しい。マックス(フェルスタッペン)やチェコ(セルジオ・ペレス)と同じように偉大なドライバーだからね。今日は楽しかった。みんなも楽しんでくれたでしょ」
相対したルクレールも同じ思いだったようだ。僅か0.184秒差で表彰台を逃しながらも、汗まみれで満足した様子を浮かべたルクレールは「正直に言って清々しい気分だ」と振り返った。
「確かに僕は表彰台を逃したけど、カルロスが立ったわけだし、退屈なレースで4位だったらガッカリしただろうけど、ホント楽しかった。すごく楽しかったよ!」
「ピットウォールのみんなやティフォシは僕らのバトルを心からは楽しんでなかっただろうけどね! 一度や二度、心臓が止まりかけたんじゃない? 」とルクレールは笑う。
「でもこれが僕にとってのF1なんだ」
「マックスとは前にもこういうバトルがあった。今日はそれがチェコとカルロスだったってだけさ」
「守るか、それとも攻めるか。僕らはいつだってレギュレーションの限界に挑んでる。それこそが僕のレースの楽しみ方なんだ。だから楽しかった!FP1の最初のラップから絶好調だったカルロスを祝福したい」
レース後、フレデリック・バスール代表と合流したルクレールはボスの首元に手をやり、心臓が動いている事を確認した。
9月3日(日)にモンツァ・サーキットで行われた2023年F1第15戦イタリアGP決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が10連勝を飾った。2位はセルジオ・ペレス(レッドブル)。3位表彰台にはポールシッターのカルロス・サインツが滑り込んだ。
マリーナベイ市街地コースを舞台とする次戦シンガポールGPは9月15日のフリー走行1で幕を開ける。