2018年F1バルセロナ合同テスト初日レポート:全ドライバーコメントとプログラム
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F1バルセロナ合同テストの初日セッションが5月15日火曜に行われ、若手ドライバーを含めた13名が10チームから參加した。各チームのテストプログラムの内容と、担当ドライバーのコメントをタイムシート順に以下にまとめた。
1位:レッドブル
この日RB14のステアリングを握ったのはマックス・フェルスタッペン。ハイパーソフトタイヤで1分17秒528を刻み、タイムシートトップに立った。シニアエンジニアのジェフ・カラムは、今日のプログラムの目的は開発パーツのテストとタイヤへの理解を深める事の2点であった事を明かした。
マックス・フェルスタッペン1位 / 1分17秒528 / 148周
マシンとタイヤに関する理解を深めることに集中して取り組んだ。計画していた以上の事ができたし本当に良い一日になったよ。かなりの周回を稼げたしね。今日が冬季テストの初日なら良いのにって思った位だよ。トラブルフリーだったし、フィジカル面での問題もなかった。今日で僕のテストは終わり。今週末の日曜日はダニエル(リカルド)とデビッド(クルサード)と一緒に、ザントフォールトをショーカーで走るんだ。ファンに楽しんでもらえる事を祈ってる。
2位:ルノー
2番手タイムを記録したのはルノー・スポールのカルロス・サインツ。119周を走り込み、ハイパーソフトタイヤでフェルスタッペンから100分の3秒遅れの17秒562を記録した。
カルロス・サインツ2位 / 1分17秒562 / 119周
慌ただしかったけど、僕にとってもチームにとっても実りある1日になったよ。集中的に取り組んだのは、大量に持ち込んだテストアイテムの評価と、車からパフォーマンスを引き出す方法を見つける事の2つ。ここ数日は忙しかったなあ。かなりの周回を稼げたし、今後の改善に役立つはずさ。
3位:フェラーリ
フェラーリはこの日、先日のスペインGPで投入された薄いトレッドの特別仕様タイヤと通常仕様のタイヤの2つを履き分け、両者の評価を実施した。3番手タイムを記録したのは、履き心地に違和感を抱いていた特別仕様ではなく、通常仕様のソフトタイヤであった。
セバスチャン・ベッテル3位 / 1分17秒659 / 136周
今日は色々な開発パーツをテストしたよ。次のモナコで投入するやつじゃないよ。モナコで使うのは一戦限りのワンオフものだからね。今日はいくつか良いアイデアが得られたから、これを上手く活かしていきたい。カタロニア・サーキットみたいなタイプのコースでタイヤを機能させる方法については色々学ぶことが出来たよ。
4位:ハース
ハースのテスト作業を担当したのはロマン・グロージャン。ハイパーソフトタイヤで1分18秒449を記録した。
ロマン・グロージャン4位 / 1分18秒449 / 129周
かなり生産的で良い1日になったよ。相当な数の周回を走ったけどマシンはノートラブルだった。今朝の段階では路面が少し汚れていてグリップが低くかったんだけど、徐々に良くなり始めてその後はまともに走れたよ。
レース週末には試せないような作業ができた。タイヤとかセットアップとかね。いろいろ学べたし、フィーリングはかなり良かった。この前の決勝は完走できなかったから、まずは今日走れた事が重要だった。
できれば、次のモナコも残りのレースもこの調子でいきたいね。ガレージの皆は今日素晴らしい仕事をしてくれた。本当に満足してる。
5位:フォース・インディア
フォース・インディアはニコラス・ラティフィを本テストに起用し、ジョージ・ラッセルをピレリのタイヤ開発テストにあたらせた。ハイパーソフトを履いたラティフィは、グロージャンに100分の8秒差で食らいつく5番手タイムを記録した。チーフ・レースエンジニアを務めるトム・カマローは、プログラムのメインがテストパーツの空力評価であったと明かした。
ニコラス・ラティフィ5位 / 1分18秒530 / 107周
具合が悪かったせいでプレシーズンテストを走れなかったから、今日初めてドライブするのを本当に楽しみにしていたんだ。シミュレーターで学んできた事を実際に試せるチャンスがようやく得られた。満足のいく一日になったよ。特に大きな問題もなくスムーズだった。
たくさん走り込めたし、初日としてはこれ以上を期待しちゃいけないよね。チームのテストに協力できて嬉しかった。今日はコース上でマシンが実際にどんな挙動を示すのかが分かったから、この新しい知識で以てシミュレーター作業に戻るのが楽しみだよ。
6位:メルセデス
メルセデスは、最新のエアロパッケージと風洞との相関を確認する事を第一優先にプログラムを実施。他方、セットアップとエンジン開発に絡む作業を行った。スペインの勝者ハミルトンは6番手タイムに終わったものの、履いていたのはミディアムタイヤ。上位5名はより柔らかいコンパウンドでのタイムであった。
ルイス・ハミルトン6位 / 1分18秒543 / 151周
良い1日だったよ。比較的面白いテストだったから走れて良かったよ。相当な量のプログラムをこなして151周走れたんだから、信頼性はオッケーって言えるんじゃないかな。次のモナコで今日学んだ事を活かしたいね。楽しみだよ。
7位:マクラーレン
マクラーレンはストフェル・バンドーンが通常テストを担当。ランド・ノリスとオリバー・ターベイはピレリの2019年タイヤ開発テストに取り組んだ。バンドーンはスーパーソフトタイヤで7番手タイムを記録。タイヤテストに臨んだノリスとターベイはそれぞれ10番手と13番手だった。
ストフェル・バンドーン7位 / 1分18秒981 / 85周
確認やら何やらで少し出遅れてのスタートになったけど、基本的にはかなり良い一日だったよ。新しい空力パッケージの分析をたくさん事で少し理解が進んだし、それがマシンの挙動にどう影響しているかを正確に理解しようと努めたんだ。
少しだけだけのタイヤのテストもしたよ。セットアップに役立つデータを得たくてね。周回数も稼げたし色々学べたしすごく満足だよ。明日はピレリタイヤのテストの方を担当するから、今日とは全然違うプログラムをやることになるね。マシン走れる時間があるのは僕にとってチャンスだよ。
8位:ザウバー
ザウバーからはアントニオ・ジョビナッツィが参加。初のC37のドライブで、空力テストやメカニカルセットアップ、タイヤの評価などに取り組んだ。ジョビナッツィはハイパーソフトで8番手タイムを記録。2日目はシャルル・ルクレールにバトンを渡す。
アントニオ・ジョビナッツィ8位 / 1分19秒693 / 135周
本当に良い1日だったよ。昨年、アブダビのFP1で乗って以来のマシンだったから嬉しく思ってる。きょうは生産的な1日だった。色んなマシンセットアップや新しい空力パーツを試したりしながら、様々なコンパウンドでの走行にも取り組んだ。チャンスをくれたアルファロメオ・ザウバーF1チームに感謝してる。今日は本当に楽しかったよ。
9位:ウィリアムズ
ウィリアムズはイギリス出身の25歳オリバー・ローランドを起用。ショートランに集中して取り組み121周を積み上げた。ハイパーソフトタイヤで記録した20秒009で9番手につけた。
オリバー・ローランド9位 / 1分20秒009 / 121周
今日は本当に良い一日だった。相当な数の周回を走って計画していたプログラムを消化しきった。初めてF1マシンで真っ当に走れたから嬉しかったよ。マシンはかなり良い感触だったよ。走っていて快適で、かなりタイムを削る事ができた。クラッシュは避けたかったからそんなに無茶はしなかったよ。
午前中は新しいタイヤと古いタイヤで色々な事を試してみたんだ。比較して感触を確かめるのはおもしろい経験だったよ。この機会を与えてくれたチームに感謝したい。僕のフィードバックがチームの前進に役立つ事を祈ってるよ。
10位:トロロッソ・ホンダ
トロロッソ・ホンダは初日のテストに今年F2を戦っているショーン・ゲラエルを起用。正午にオイルラジエーターが故障したため、予防措置としてエンジン交換を余儀なくされた。午後の大半をガレージで過ごし、コースに復帰したのはセッション終了20分前。結局1日を通して僅か50周の走行に留まり、全開走行でのタイムアタックを終えることもなく、タイムシート12番手に沈んだ。
トラブルの影響についてホンダF1の副テクニカルディレクターを務める本橋正充は、パワーユニット本体がダメージを受けている可能性がある事を明らかにしている。
ショーン・ゲラエル10位 / 1分21秒935 / 50周
トロロッソに戻れて嬉しいよ。みんな素晴らしい人達だし、マシンも最高だからね!マシンに乗ってすぐに昨年の車と今年のSTR13との違いに気がついたよ。今年のマシンはグリップがかなりあるんだ。
今日はトラブルに見舞われてしまったから少し残念な日だった。でも多くのことを学んだし、チームとしては分析のための重要なデータをたくさん得ることができた。もっと走りたかったから周回数が限られてしまったのは残念だけど、レースというのはそういうものさ。明日はもっと生産的な日になることを祈ってる。
2日目のテストは、現地16日(水)9:00〜13:00及び、14:00〜18:00の2回のセッションが予定されている。詳しくは、インシーズンテスト日程とドライバーを参照されたい。