グリッドに並ぶマクラーレンSPのフェルナンド・アロンソとマシン、2020年第104回インディ500にて
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フェルナンド・アロンソ、3度目の挑戦でインディ500初完走「クラッチに問題。波乱に満ちたレースだった」

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2020年の第104回インディ500に挑んだマクラーレンSPのフェルナンド・アロンソは、後方26番グリッドからスタートして90周目~99周目に15番手を走行していたが、クラッチにトラブルが発生した事で124周目に周回遅れとなり、最終的に21位でフィニッシュした。

9番手を走行していたアレックス・パロウ(デイル・コインwithチーム・ゴウ)がクラッシュした事で、500マイルレースは122周目に5度目のイエローコーションを迎えた。16番手を走行していたアロンソは、このタイミングでピットイン。給油とタイヤ交換を終えてコースに戻ろうとしたものの発進できず、1ラップダウンの26番手にまで後退した。

フェルナンド・アロンソのマシンのピットストップ作業に取り組むマクラーレンSPのクルー、2020年第104回インディ500にて

グラハム・ヒルに次ぐ史上2人目の世界3大レース全制覇=トリプルクラウンを目指し、2020年の第104回大会に挑んだF1ワールドチャンピオンは、夢の実現には程遠い結果に終わってしまったものの、エンジンブローでリタイヤを喫した2017年の初挑戦、そして屈辱の予選落ちを喫した2019年に続く3度目の挑戦にして初完走を果たした。

レースを振り返ったアロンソは「僕らにとって、今日は本当に波乱に富んだレースだった。楽なラップは1周もなかったと言っていいだろうね。序盤からオーバーステアが多く、マシンバランスに悩まされていた」と語った。

「ピットストップを利用してバランスを変更したり、フロントのフラップを下げたり、タイヤの調整を続けることで、徐々に満足できるようなクルマに仕上げていき、110周目頃には15番手までポジションを上げる事ができた」

「レースの半分を通して26番手から15番手まで浮上したわけだけど、クラッチに関する問題が発生してしまい、解決方法が分からず、クラッチなしでレースをフィニッシュする事になってしまった。問題が発生した時点から、ピットインのたびにクルマを押す事でギアを入れ、何とかして走り出さなければならない状態だった」

「おかげで1ラップダウンとなってしまい、最後までラップバックを果たすことは出来ず、それ以上の成果を上げることができなかったけど、500マイルを完走してラインを越えられた事は嬉しい。クラッチの問題であっという間に順位を落としてしまった事はネガティブだったけどね」

「アロー・マクラーレンSPチームはレースを通して素晴らしい仕事をしてくれた。彼らの戦略とピットストップのおかげでポジションを上げる事が出来た。ここ数週間のチームの仕事ぶりを本当に誇りに思っている。今日はレースに挑戦したけど運に恵まれなかった。でも、チーム全員の努力を誇らしく思っている」

この日のレースは、インディ500初挑戦の際にアンドレッティ・オートスポーツのチームメイトであった佐藤琢磨が2度目の制覇を成し遂げた。2017年以降、佐藤琢磨はアロンソが決勝出走を果たした全てのインディ500を制している。この法則が来年以降も続くのであれば、佐藤琢磨が3冠目を挙げるのは早くとも2023年の第107回大会という事になる。

アロンソはルノーと2年契約を結び来季よりF1復帰を果たす事が決まっているが、ルノーのシリル・アビテブール代表は、エンストンのチームに籍を置いている間はアロンソがインディ500に参戦する事はないと明言している。