2020年インディカー・シリーズ第3戦ロード・アメリカ決勝スタート後の様子
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インディカー第3戦ロードアメリカ決勝:ディクソン3連勝、佐藤琢磨 後方から挽回「1周目は最悪だった」

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2020年NTTインディカー・シリーズ第3戦ロードアメリカ(REV Group Grand Prix presented by AMR)の決勝レースがウィスコンシン州現地7月11日(土)に行われ、9番グリッドからスタートしたチップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンが6月6日のテキサス、7月4日のインディアナポリスに続く今季3連勝を果たした。

シーズン3連勝を達成したのはロングビーチ、インディGP、GMRグランプリを制した2018年のシモン・パジェノー以来初。ディクソンは「どうしてこうなったのか訳がわからない!ピットから出たら”『お前とパワーが1位と2位だ』って言われたんだ。ホンダパワーの供給を誇りに思うよ」と語った。

2020年インディカー・シリーズ第3戦ロード・アメリカで優勝したスコット・ディクソン
© Indycar / 優勝したスコット・ディクソン

2位はディクソンから2.5386秒差で2014年のシリーズチャンピオン、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が続き、3位表彰台には新人のアレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チームゴウ)が滑り込んだ。

インタビューに答えるアレックス・パロウ、2020年インディカー・シリーズ第3戦ロード・アメリカ
© Indycar / インタビューに答えるアレックス・パロウ

予選15番手と出足を挫かれた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は1周目にアクシデントに巻き込まれ後方に沈む厳しい展開ながらも、忍耐強くレースを戦い9位フィニッシュを果たした。

「誰もがお気に入りに上げるロードアメリカに戻ってこれて良かったです」と佐藤琢磨。

「予選は、残念ながら思うようなバランスが取れず、15番手からのスタートとなってしまい厳しいものでした。レースの1周目は最悪でした。サイド・バイ・サイドで押し出されたような形になり後方に転落してしまい、まるで先週のレースのような展開でした」

「でもその後は徐々にポジションを戻していきました。チームが練ってくれた素晴らしい戦略のおかげだと思います。あるタイミングでヘルメットのエアダクトが落ちてしまったのですが、本当に、めちゃくちゃ暑かったです」

「有益なデータが得られたと思いますので、また明日のレースに活かしていきたいと思います。次の予選が楽しみです。前列を獲得するチャンスはあると思っています」

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨、2020年インディカー・シリーズ第3戦ロード・アメリカ
© Indycar / 佐藤琢磨

舞台となったのは全長4.048マイル、全14コーナーを持つロードアメリカ。注目のオープニングラップではアンドレッティ・オートスポーツのアレクサンダー・ロッシとマルコ・アンドレッティが激しくコースオフ。佐藤琢磨は1周目を終えて18番手、2周目には22番手にまでポジションを落とした。

2戦連続上位フィニッシュが期待された佐藤琢磨のチームメイト、グレアム・レイホールはピットストップの際に給油が上手くいかず大きくタイムロス。7位でフィニッシュした。

ポールポジションからスタートし、レース前半をリードしていたジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は、ピットストップの際にエンジンストールに見舞われ一気にポジションを10落として戦線離脱。14位という失望の結果に終わった。

レース終盤に差し掛かかろうかという残り17周で、2番グリッドスタートのジャック・ハーベイ(メイヤーシャンク)がコースオフ。これにより初のイエローコーションが出された。

全車一斉にピットインすると、ここでディクソンがトップに躍り出た。じわじわとポジションを上げていた佐藤琢磨も12番手に。このタイミングでアンドレッティとフェリックス・ローゼンクビスト(チップ・ガナッシ)がマシンストップに見舞われた。

レースは42ラップ目にリスタートを迎えたが、コナー・デイリー(アンドレッティ・オートスポーツ)とパトリシオ・オワード(マクラーレンSP)が接触。グラベルに弾き飛ばされたデイリーはタイヤバリアに激突しレースを終えた。

2度目のフルコースイエローを経て45周目に再びリスタートを迎えると、今度はダルトン・ケレット(A.J.フォイト・エンタープライズ)がグラベルに。パロウは見事なオーバーテイクでライアン・ハンター=レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)を交わして3番手に浮上するも、イエロー後のオーバーテイクであったとしてポジションを4番手に戻した。

残り9周でグリーンフラッグを迎えると再びパロウがハンターレイをオーバーテイク。ディクソンが逃げ切り、今季負け無しの3勝目を飾った。

ダブルヘッダーの第2戦として開催される第4戦ロード・アメリカは7月12日(日)25時よりCS放送のGAORA SPORTSで生放送される。視聴にはスカパーひかりTVとの契約が必要となる。

2020 ロードアメリカ決勝順位結果

Pos. Start Driver Gap
1 9 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
–.—-
2 5 ウィル・パワー
Team Penske
2.5386
3 14 アレックス・パロウ
Dale Coyne
3.1928
4 3 ライアン・ハンター=レイ
Andretti
3.9844
5 7 コルトン・ハータ
Andretti
7.2493
6 6 サンティノ・フェルッチ
Dale Coyne
8.2004
7 4 グレアム・レイホール
RLL Racing
11.3554
8 12 パトリシオ・オワード
McLaren SP
14.7846
9 15 佐藤琢磨
RLL Racing
15.0046
10 13 マーカス・エリクソン
Chip Ganassi
15.7661
11 22 チャーリー・キンボール
A.J. Foyt
16.1702
12 17 シモン・パジェノー
Team Penske
17.6234
13 16 リーナス・ヴィーケイ
Ed Carpenter
19.1144
14 1 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
19.1842
15 21 オリバー・アスキュー
McLaren SP
20.9776
16 20 ザック・ビーチ
Andretti
22.6498
17 18 マックス・チルトン
Carlin
37.4904
18 8 フェリックス・ローゼンクビスト
Chip Ganassi
1 lap
19 11 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
1 lap
20 23 ダルトン・ケレット
A.J. Foyt
1 lap
21 19 コナー・デイリー
Carlin
14 lap
22 10 マルコ・アンドレッティ
Andretti
16 lap
23 2 ジャック・ハーベイ
Meyer Shank
18 lap