ハース、F1ハンガリーでの大型アップグレードは1セットのみ…得るのはシューマッハではなくマグヌッセン
2022年型ハース「VF-22」には、今週末のF1第13戦ハンガリーGPで今季初のメジャーアップグレード・パッケージが導入される。ただし開発及び製造遅延の影響で、用意できたのは1セットのみだという。
ハンガリーGPの舞台、ハンガロリンクは直線区間が1箇所のみで、かつ低中速コーナーが主体であるためエンジン全開率が低く、車体性能が結果を左右するサーキットだ。同じ中団グループの中ではアルファロメオが同じ様にアップグレードを投入する意向を明らかにしている。
ライバルがこぞってシーズン中にクルマを大幅改良してきた中、ハースだけでけはほぼローンチ仕様のままのマシンでレースを戦うも、イギリスとオーストリアの2戦連続でW入賞を果たすなど、ミッドフィールドの中で競争力を保ってきた。
当初このアップグレードは前戦フランスGPで導入される予定であったものの、サウジアラビアとモナコでの2度に渡るミック・シューマッハの大クラッシュの影響でパーツ製造にリソースを割く事となり、開発が滞ってしまった。
ギュンター・シュタイナー代表は「残念ながら開発段階で幾らか遅れが生じたため、導入をフランスGPからハンガリーへと変更することにした」と説明した。
「それに、シーズンの序盤、第7・8戦までのスペアパーツの状況から製造が少し遅れてしまったため、2台に導入するには十分なパーツがない状況だ」
「チームもサプライヤーも、誰もが一丸となって懸命に働いてくれている。だから1台分のみとは言え、ハンガリーで導入できて満足してる」
「サマーブレイクを前にデータを収集し、休み明けに作業に取り組み、何も問題がないようであれば2台共に導入できればと思っている」
ハンガリーでアップグレードを手にするのはシューマッハか、それともケビン・マグヌッセンか。
シュタイナーは「2台のキットを持ち込む事ができないため、チャンピオンシップで上位にいるケビンにパッケージを試してもらうことにした」と説明した。
「ご存知のように、我々はアップグレードを持ち込むのに少しばかり時間がかかってしまったが、それは我々のペースが依然として良かったためだ」
「今後はパフォーマンスに焦点を当てていく」
1周4381m、全16コーナーを有するハンガリーGPの舞台、ハンガロリンクは直線区間が1箇所のみで、低中速コーナーが主体の畝るようなレイアウトが特徴。「壁のないモナコ」と形容されるほどオーバーテイクが難しい。
ハーフウェット・コンディションで開始された昨年のグランプリでは、1周目に7台が巻き込まれる多重玉突き事故が発生。エステバン・オコンがキャリア78戦目で自身およびアルピーヌにとっての初優勝を飾った。
F1ハンガリーGPは日本時間7月29日(金)21時からのフリー走行1で幕を開ける。