まさかの7番手…レッドブル・ホンダに一体何が? 途方に暮れるフェルスタッペン「何かが間違っている」
ハンガロリンクはレッドブル・リンクよりもストレートが少ないとして、今週末のハンガリーGPでメルセデスからトップの座を奪うと期待されていたレッドブル・ホンダであったが、7月18日土曜に行われた公式予選ではマックス・フェルスタッペンが辛くも7番手タイムを記録するような状態で、アレックス・アルボンに至っては13番手とQ2敗退を喫した。
コンマ1秒の中に10台がひしめくような接戦となり、僅かなミスが命取りになったというわけではなく、昨年のポールシッターは最速を刻んだルイス・ハミルトンから1.4秒も遅れ、メルセデスのみならずレーシングポイントとフェラーリの計4台にすら先行を許した。真っ向勝負に破れての7番手というリザルトだった。
RB16は初日金曜の段階から挙動が不安定で、特にアルボンが酷いアンダーステアと不可解なマシンの動きに不満を訴えていた。曰く「マシンの挙動が予測不可能」との事で、苦悩するレッドブル・ホンダは金曜日の夜にカーフュー(夜間作業禁止令)を破って大体的なセットアップの変更に取り組んだのだが、依然として2人のドライバーは多くのステアリング修正を余儀なくされ、グリッド争いで苦戦しきっていた。
「明らかに何かが上手くいっていない」予選を振り返ったフェルスタッペンこのように語った。
「今週末は本当にトリッキーで何が問題なのかを理解するのが難しい。色んなことを試してみたけど、まだ上手くいかないんだ。アンダーステアにオーバーステアそれにグリップ不足。トップスピードもあまり出ていない。そういった全ての事が合わさって、速さが不足してしまった」
セットアップが、ツイスティーなコーナが連続するハンガロリンクのコース特性に合っていなかったのだろうか? フェルスタッペンは「問題を理解さえできていれば改善できているはずだから、何かが間違っているのは確かだ。今はまだ調査中だけど、セットアップが関係しているとは思わない」と述べ、その可能性を除外した。
昨年のピエール・ガスリーが手を焼き続けていたように、レッドブル・ホンダのマシンは昨年も今年もピーキーさを感じさせる。カタロニアでのプレシーズンテストの段階からリアを滑らせる場面が目立ち、土曜のFP3でもフェルスタッペンが派手なスピンを喫していた。
「クルマをプッシュして限界まで達すると少しトリッキーになるんだ。簡単にリアを失ってしまうし、アンダーステアを抱えたりする事になる」とフェルスタッペンは説明した。
なおレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「車体側のとある領域が問題と考えられる。幾つかのパーツが不安定で気流の流れが阻害されている可能性がある」と述べている。
日曜のレースでの挽回は可能なのだろうか? フェルスタッペンは苦戦を予想する。
ハンガロリンクは「壁のないモナコ」と形容されるほどオーバーテイクが難しい。追い抜き可能な箇所はターン1とターン2に限られると言ってよく、過去33回のデータを紐解くと、その内の実に15回がポール・トゥ・ウインと、ポールからの勝率は約45%にも達する。
更に、上位4台、つまりメルセデスとレーシングポイントの全車がミディアムコンパウンドでスタートする点もレッドブル・ホンダに不利に働く可能性がある。初日の傾向から言えば、フェルスタッペンのスタートタイヤであるソフトコンパウンドは概してグレイニングが酷く、レースでは使い物にならない可能性がある。
「自分たちに何ができるのかをこれから見極める必要がある」とフェルスタッペンは語る。
「僕は接戦になると思ってる。もちろん僕はソフトでのスタートだし、僕の後ろの何人かは(タイヤ選択の自由がある11番手以降)ミディアムからスタートするだろう。戦略的に何ができるか、非常に興味深いところだね」
決勝レースは日本時間7月19日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。