期待外れ、第2回F1サウジアラビアGPに向けてジェッダ市街地コースはどう変更されたのか?
昨年のレースを経て「無意味に危険」と言った安全性に対する批判が続出した事を受けF1は、3月27日の2022年F1第2戦サウジアラビアGPに向けてジェッダ市街地コースに修正を加えた。
昨年12月にF1初開催を迎えたこのコースは”史上最速のストリートサーキット”と銘打たれ、ドライバー達から高い評価を得たものの、サポートレースのFIA-F2選手権を含めて幾つもの事故が発生し、高速コーナーでの視界性の悪さに批判の声が上がった。
そこでF1は第2回大会となる今週末のイベントに向けて、コースに幾つかの修正を加える事で現地プロモーターと合意に達した。一体どこが変更されたのだろうか?
国際自動車連盟(FIA)によると変更点は以下の8箇所に及ぶが、ご覧の通りどれもかなり控えめだ。
- ターン2/3:ターン4にかけての見通し改善のために、左側のバリアを後方に移動
- ターン4:コンクリートバリアに滑らかな面を追加
- ターン14:見通し改善のためにバリアを約1.5m後退
- ターン16:コンクリートバリアに滑らかな面を追加
- ターン21:見通し改善のためにバリアを約1.5m後退
- ターン22:コンクリートバリアに滑らかな面を追加
- ターン24:コンクリートバリアに滑らかな面を追加
- ターン27:出口側のコース幅を10.5mから12mに拡大
昨年のレースではミック・シューマッハがターン22でクラッシュ。セルジオ・ペレスとジョージ・ラッセル、そしてニキータ・マゼピンはターン2-3で発生した事故によりレースを終えた。またマックス・フェルスタッペンは予選最終アタックの際にターン27で壁に激突した。
GPDAのディレクターを務めるラッセルは昨年のレース直後、「ターン2~4、ターン17~22といった全く必要ない僅かなコーナーの全てをストレートにしてしまえば良い」とレイアウトそのものの変更を要求していたが、バリアの僅かな位置調整など、FIAが実際に行ったのは軽微な変更に留まった。
昨年ような事故の再発防止策として、この変更は評価できるものなのだろうか? フェラーリのドライバー達は初日を前に早くも疑問の声を挙げた。
RaceFansによるとシャルル・ルクレールは、実際に走行してみない事には分からないとしながらも「十分とは思えない」「この変更が大きな違いをもらたすとは思えない」と語った。
また僚友のカルロス・サインツは、FIAの手腕に期待を寄せていたもののの「レーシングラインと壁との距離は依然として近い。ドライバーからの視界性は改善されていない」と述べ、ドライバーの意向が反映されていないと主張。今後に向けて統括団体との関係をより緊密したものへと改善させる必要があるとの考えを示した。
なおDRSゾーンは昨年と同じく3箇所に設けられる。