ホンダ、アストンマーチンと提携して2026年F1復帰…モナコGPを前に発表との報道

2023年型F1マシン「AMR23」のノーズにプリントされたアストンマーチンのロゴ、2023年3月3日F1バーレーンGPフリー走行Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

2021年末を以てF1から撤退したホンダがF1第7戦モナコGPを前に、アストンマーチンのパワーユニット(PU)サプライヤーとして2026年のFIA-F1世界選手権復帰を発表するとの複数報道が飛び込んできた。

伊紙「La Gazzetta dello Sport」は5月24日(水)にも正式発表の見通しだと報じた。HRC(株式会社ホンダ・レーシング)に近い情報筋によると、契約は2026年から2030年までの5年間になるという。

蘭紙「De Telegraaf」や伊「Sky Sport」も同様の内容を伝えた。

ホンダはアウディを含む他の5つのメーカーと共に、MGU-Hの廃止と、より強力なMGU-Kの採用を含む次世代エンジン規定導入の2026年PUサプライヤーとして国際自動車連盟(FIA)に登録しているが、現時点では正式復帰を明言していない。

ホンダが復帰に含みを残しているのは、電動化比率の引き上げと100%持続可能燃料を含むF1の目指す方向性が自社のカーボンニュートラル方針に合致すると考えているためだ。

とは言え、自らのチームを持たないホンダがグリッドに着くためには既存あるいは新規チームとの提携が欠かせない。

ホンダは正式撤退後の現在も、レッドブルと姉妹チームのアルファタウリにエンジン一式を供給しているが、レッドブルは2026年以降、フォードと提携して自社開発の独自PUを使用する事を決定。再タッグの可能性は潰えた。

タイトル争いを熱望するローレンス・ストロール会長率いる英国のラグジュアリー・スポーツカーメーカーにとって、ホンダとの提携はワークス化のために残された最後の希望だ。

アストンマーチンは現在、メルセデスからPUのみならず、ギヤボックスやリヤサスペンションの供給を受けている。これは車体設計において制約が課せられる事を意味するが、ホンダとのパートナーシップにより解消される事になる。

仮に「アストンマーチン・ホンダF1チーム」が誕生した場合、英国シルバーストン本拠のチームのレースシート価値は高騰する可能性がある。

チームオーナーの息子、ランス・ストロールのシートは安泰と考えられるため、市場に出回る可能性のある現実的なシートは一つのみだ。

今季開幕5戦で4回の表彰台に上がった好調フェルナンド・アロンソは2026年に45歳を迎える。年齢的な要因に加え、2015年から2017年にかけてホンダがマクラーレンにPUを供給していた際に「GP2エンジン」と暴言を吐いた経緯もあり、3年後もチームに残るかどうかは不透明だ。

アストンマーチンは現在、コンストラクターズ選手権2位を邁進する。この競争力を維持して上位争いを続ければ、2024年末で契約が切れるシャルル・ルクレールとフェラーリの契約延長交渉に影響が及ぶ可能性も十分に考えうる。

また、同様のことはマクラーレンと2025年末までの契約を締結しているランド・ノリスにも言えるだろう。

F1モナコGP特集

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