ホンダF1、メルセデスとのエンジン性能差と次期スペック3の投入時期を語る
F1カナダGP公式プレスカンファレンスに出席したホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、メルセデスとのエンジン性能差や、次期スペック3の投入時期などについての質問に答えた。
会見には、メルセデスのトト・ウォルフやハースのギュンター・シュタイナー、ピレリのマリオ・イゾラ、そしてホンダのパートナーであるスクーデリア・トロロッソのフランツ・トストが同席した。
マクラーレン時代の信頼性・パフォーマンス不足は完全に過去のものとなり、今季のホンダは非常に高い信頼性と堅実なパフォーマンスを発揮。復帰5シーズン目にして遂にトップチームを射程圏内に収めた。口数少なく質問に答えた田辺TDだが、その行間からはルノーを意識していない事が感じられる。
田辺TDはホンダが現在置かれている状況について「the top PU manufacturers」を追いかける立場だと主張。ターゲットがメルセデスとフェラーリの2チームに絞られている事を伺わせた。以下記者会見の模様を、インタビュー形式でお届けする。
Q:カナダは今季初となる真のパワーサーキットです
田辺 豊治
「非常に良い質問ですが少し答えにくいですね。これまで何度か申し上げている通り、パワーと信頼性の両方の面において、我々はまだトップのパワーユニットメーカーをキャッチアップしなければならない立場にあり、現在その両方の性能を高めるべく開発を続けている状況です」
「つまり我々としては、トップのライバルメーカーに若干遅れを取っていることを認識しているということです。ですが、シーズン開幕の段階から我々はトラック上で納得のいくパフォーマンスを示せると予想していました。モントリオールでの明日の予選と明後日のレースを楽しみにしています」
Q:ホンダとメルセデスとの性能差は?
田辺 豊治
「正確な数字については申し上げられませんが、ギャップが存在している事は分かっています」
Q:次回のホンダのアップグレードの次期は?
田辺 豊治
「開発は現在進行中で、我々としては次のステップのエンジンをいつ導入するべきかを検討している段階です。現在のパワーユニットのマイレージや損傷の程度といった諸状況を経過観察しながら、アップデートエンジンを導入する最適なタイミングについて、チーム側と協議しているところです」
「我々はトロロッソとレッドブルの両チームと緊密に協力し合っているため、これはホンダだけの問題ではありません。よって、現時点では正確な時期は申し上げられません」
田辺TDは現在置かれたポジションに対する良し悪しの判断を留保したが、同席したフランツ・トスト代表は、車体とエンジン、そしてドライバーという全ての要素に高い満足感を示した。
「現時点では、我々トロロッソは競争力のあるパッケージを持っている」とトスト代表。
「空力的にもメカニカル的にも上手く機能する速いマシンを手にしている。そしてパワーユニット側には、ホンダという非常に強力なパートナーがいる。それに我々には二人のコンペティティブな高いスキルを持ったドライバーがいる。二人とも本当によくやっているし、チームも素晴らしい仕事をしてくれている。現在のパッケージは、非常に良いと言わざるを得ない」