ピットウォールからセッションを見守るホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、2020年F1シュタイアーマルクGPにて
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ホンダF1 田辺TD Q&A︰2022年以降の参戦の見通し、PU開発凍結の影響、オーストリアでのトラブルの詳細

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ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、F1第2戦シュタイアーマルクGPの公式プレスカンファレンスに出席し、2022年以降の参戦の見通しやパワーユニットの開発凍結に伴う影響、ダブルヘッダーという限られた時間の中でトラブルの原因を特定する方法など、メディアから寄せられた様々な質問に答えた。

ホンダは2021年末までF1への参戦を継続すると明言しているが、以降については現時点でコミットメントはなく、継続か撤退かについて話し合いが行われているものと見られている。

オーストリアGPでのトラブルについて
レッドブルとホンダのどちら側の問題だった?

2つのインシデントは各々別の原因によって発生しました。マックスのマシンでは機械的なトラブルが発生して、それがPUの電気的な問題を引き起こしました。よってPUとは直接関係がないものでした。

アレックスのクルマに関しては、彼がグラベルの上を走った後に異常なデータが確認され、その後、限界許容値を超えてしまったためにクルマを止めました。

レース間の休みが非常に短かったため、施した対策は非常にシンプルかつ基本的で原始的なものでした。我々は関連する電子部品やPUの関連部品をすべて交換しました。詳細についてはまだ調査中ですが、単一ではなく様々な要因によって発生した可能性があると見ています。

FP1でのマシンは問題なく稼働していました。今後も様子を見ながら監視していくつもりです。

今季はメルセデスに匹敵できる?

他社のパワーユニットとのパワーの違いに言及するのは少し難しいと思います。スピードやラップタイムというものは様々な要素が組み合わさった結果ですので。我々としては、トップランナーに追いつくためにはもう少し頑張らなければならないと思っています。

オーストリアで投入した新スペックのPUについて

シャットダウンがありましたので大規模な変更には取り組めていません。信頼性の向上とマイナーチェンジといったところです。限られた時間ではありましたが、幾つかの事を試す事はできました。そうですね。何と言ったら良いのでしょうか? メンテナンスといった感じでしょうか。

限られた時間の中でトラブルの原因を究明する方法

ロギングデータを入手次第、サーキットですぐにデータを分析し、その後で実際のクルマをチェックします。

アレックスのクルマの場合はパワーユニットからパーツを外し、幾つかのものについては日本のHRD-Sakuraに、幾つかのものについては英国のミルトンキーンズに発送しました。

こうしたパーツをダイナモで稼働させ、実際のレースと非常に似たコンディションを再現し、そのデータを再度分析します。

複数チームへのPU供給は大変?

そうですね。分かれて仕事をするのは少し大変ですが、メンバーの安全とチームの安全のために、我々はFIAの指示に完全に従っていますし、チームの指示にも従います。

今回のプレスカンファレンスと同じように、可能な限りウェブミーティングを活用して、2つのチームのメンバー間でコミュニケーションを取っています。今のところ上手くいっていますが、安全性という点に関しては今後も努力を続けていきます。我々に取ってだけでなくF1全体にとっても非常に重要なことですからね。

2022年以降のF1参戦継続について

私は契約事にはあまり関与していないのですが、現在話し合いが行われているとだけ聞いています。結論については耳にしていません。

パワーユニット開発の凍結、21年以降への影響

開発の凍結は我々が望むところではありません。ですが、このような社会情勢を考えればそうした対応が行われるのは妥当な事だと思いますし、メーカーやチーム全員にとって正しい判断だと思います。

(凍結された事で)メーカーの人間は、パワーユニットを如何に最適化し、どの様に使うのかという事について、懸命に取り組む必要があると思っています。シミュレーションや分析にもっと多くの時間を費やす必要があります。

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