マクラーレンF1、コルトン・ハータの年内スーパーライセンス取得を計画

マクラーレンの2021年型MCL35Mに乗り込むコルトン・ハータ、2022年7月11日にアルガルベ・サーキットで行われたF1テストにてCourtesy Of McLaren

F1参戦を熱望するアンドレッティ・オートスポーツのインディカードライバー、コルトン・ハータは、マクラーレンのテストプログラムを通して2022年内にF1参戦要件であるスーパーライセンスを取得する計画だ。

Forbesによるとザク・ブラウンCEOは「コルトンは何名かの現役F1ドライバーよりも熟練している。彼がまだ十分なポイントを蓄積できていないのはポイントシステムのせいだ。彼は今年、我々とのテストでそれを達成するだろう。今のところ、それがゲームプランだ」と語った。

アンドレッティ・オートスポーツ率いるマイケル・アンドレッティは昨年、F1への参戦に向けてザウバーと買収交渉を進めていた。結果的には「コントロールの問題」で破談となったが、計画ではハータをF1デビューさせる予定だった。ただ、スーパーライセンスの問題もあった。

国際自動車連盟(FIA)は各カテゴリーのランキング上位者にスーパーライセンス・ポイントを割り当てているが、その配分は一律ではない。インディカーで取得可能なポイントはFIA-F2選手権よりも低く、ランキング4位以下の配分としてはF3よりも低い。

ブラウンは「モータースポーツのトップレベルで7勝を挙げたドライバーがいる一方、F1ではコルトンのような経歴を持たないドライバーもいる。混乱の元だ。ポイントシステムを見直す必要があると思う」と付け加えた。

2022年シーズンのF1競技規定は各チームに対し、シーズンに2回、金曜フリー走行で若手ドライバーの起用を義務付けている。

アンドレアス・ザイドル代表によると、現時点ではまだ、どのドライバーを起用するか決定していないというが、少なくともハータが筆頭候補である事は疑いなく、サマーブレイク明けのいずれかのグランプリウィークで現行「MCL36」のステアリングを握るものと思われる。

F1では2020年より、フリー走行に出走することでスーパーライセンスポイントを獲得出来るようになった。1回のセッションで100km以上を走行した場合、1点を獲得できる。

ただしフリー走行に参加するためにはフリー走行限定ライセンスを取得しなければならない。その要件を満たすための一環として行われたのが、今回のアルガルベでのテストプログラムだと考えられる。

ハータは7月11日(月)と12日(火)の2日間に渡ってアルガルベ・サーキットで型落ちの「MCL35M」を駆り、チームに好印象を与えた。ザイドル代表によると計162周、距離にして約750kmを重ねた。

Courtesy Of McLaren

マクラーレンの2021年型MCL35Mをドライブするコルトン・ハータ、2022年7月12日にアルガルベ・サーキットで行われたF1テストにて

これは今年3月に締結されたF1旧車テストプログラム契約の一環として行われた。ライセンスの取得のためには申請の180日以内に現行F1マシン相当のクルマに乗り、レーシング速度において少なくとも300kmを走行しなければならない。

ハータはF1転向に対する意欲を決して隠してはいない。アルガルベでのテストを振り返ったカリフォルニア州出身の22歳のアメリカ人ドライバーは「それが僕の目標だし、これまでもずっとそうだった」と語った。

「これまでにも、あと一歩のところまで近づいたこともあるしね。これ(テスト)はシートタイムを得るためにやってるんだ」

ハータは2016年のユーロフォーミュラ・オープンでランド・ノリスとしのぎを削った間柄でもある。かつてのチームメイトがF1出世街道を突き進む様を見て競争心が沸かないわけもない。

F1に足る能力があると思うかと問われたインディカー・シリーズ史上最年少ウィナーは「この質問に対してノーと言うようじゃプロドライバー失格だ。僕は十分速いと思ってる。みんなそれに同意するかどうかは、時間が経てば分かるさ」と答えた。

マクラーレンはノリスと2025年末まで、ダニエル・リカルドと2023年末までの契約を交わしている。またハータのアンドレッティ・オートスポーツとの契約も2023年末まで有効だ。

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