メルセデスAMGペトロナスF1チームのルイス・ハミルトン、2020年F1バーレーンGPにて
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脅威となるのは必然…ルイス・ハミルトンがセルジオ・ペレス加入のレッドブル・ホンダを強く警戒する理由

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メルセデスAMGペトロナスF1チームのルイス・ハミルトンは、セルジオ・ペレスが加わったレッドブル・ホンダは2台揃ってトップ争いに絡んでくる可能性が高く、これまで以上の脅威的になるのは”必然”だと考えている。

チャンピオンシップ争いを目標に掲げたもののメルセデスを脅かす事なく終わってしまった失望のシーズン閉幕を経て、英国ミルトンキーンズのチームは18日(金)、アレックス・アルボンをリザーブに降格させるべきとの結論に達した事を認め、セルジオ・ペレスとの契約を発表した。

これはレッドブル・レーシングにとって異例の人事だ。2010年以降、名実ともにF1のトップチームへと成長を遂げたレッドブルは、自らが運営する育成プログラム出身者のみをシニアチームへと昇格させてきた。だがホンダとのワークス提携最終年という大きなラストチャンスを掴むために信念を捨て去り、外部からベテランドライバーを起用するに至った。

今シーズンは幾度となくフェルスタッペンが単騎勝負を強いられた。メルセデスは少なからず毎戦に渡ってハミルトンとバルテリ・ボッタスの2人を先頭集団を形成するが、対するレッドブル・ホンダはフェルスタッペンのみがフロントを走る状況が多く、アルボンが後方に沈むことでチームは戦略的な仕掛けに動く事が出来ず、勝機を大幅に狭める事となった。

ハミルトンはペレスがアルボン以上の働きをする事は間違いないと考えており、来シーズンは2台対2台のチーム総力戦が行われるものと予想している。

ハミルトンは18日に行われたFIA表彰式を前に「アレックスには敬意を払っているけど、これまでのレースで僕とバルテリ(ボッタス)が戦っていたのはマックス(だけ)だった」と語った。

「僕もかつては今のマックスのような状況に置かれていた事がある。特にマクラーレン時代がそうだけど、僕がライバルと戦っている時、2台目のクルマが争いに絡んでいなかったんだ」

「そのため、戦略を上手く駆使する(戦っていた相手の)フェラーリに大いに苦しめられてしまった」

「セルジオのパフォーマンスを考えれば、これ(ペレスの加入)は必然的にレッドブルの競争力を向上させる事になると思う」

「今年のセルジオは本当に見事なドライビングをしてきたし、シートに値する走りだと考えていたから、トップチームの1つに引き抜かれチャンスが得られたという知らせが聞けて嬉しかった」

「彼とマックスと対戦を見るのはエキサイティングだろうね。そしてそれは僕らのチームをより苦しめる事になると思う」

「だからこそ、僕らは自分達のゲームをステップアップさせなきゃならない。2台のマシンを相手にしなきゃならないからね。こうしたバトルは最近なかったものだ」

ペレスは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染して2レースの欠場を強いられたにも関わらず、2020年のドライバーズ選手権をハミルトン、ボッタス、フェルスタッペンに次ぐキャリア最高の4位で終え、サクヒールGPでは最後尾からの大逆転初優勝を飾った。