F1契約延長の動機はフェルスタッペンに対する「復讐」に非ず、とハミルトン

ジル・ビルヌーブ・サーキットの表彰台に立つ優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)と3位ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2023年6月18日(日) F1カナダGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

メルセデスとの2025年末までの2年の契約延長を決断した理由についてルイス・ハミルトンは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に「復讐」するためではなく、またそれが動機でもないと説明した。

契約発表直後に行われたF1イタリアGPの会見の中で、2021年の最終アブダビGPでの一件に対する復讐への意欲が契約更新に影響したかと問われたハミルトンは「僕は復讐に燃えるような人間じゃない」と一蹴した。

「復讐のためじゃないし、取り戻したいという思いからでもない。もう終わった事なんだ」

「起きてしまった事についてできる事は何もない。できるのは、これまで以上に懸命に、正確に、そしてもっと前に前進していく事だけなんだから」

「このチームと一緒なら、僕らはもっと世界選手権で勝てると心から信じてる」

2年前のシーズン最終戦でハミルトンは、全車ではなく5台のみがラップバックが許可された最終盤のセーフティーカーからのリスタートを経て、残り1周でフェルスタッペンに交わされ8度目のタイトルを逃した。

それ以来、フェルスタッペンはF1を完全支配し、前戦オランダGPで史上最多タイとなる9連勝を果たすなど、3年連続のタイトル獲得に向けて順調に進んでいるが、ハミルトンは2021年以来、勝利から遠ざかっている。

Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

カメラに向かって親指を立てるルイス・ハミルトン(メルセデス)、2023年F1イギリスGP

今回の契約延長に伴い、今年1月5日に38歳の誕生日を迎えたハミルトンは、少なくとも40歳までF1での現役生活を続行する事になる。

ハミルトンは「勿論だよ!」と答え、これほど長くキャリアを続ける事になるとは夢にも思っていなかったと明かした。

「肉体的、精神的という意味でもこの歳になって、自分のやっていることがこれほど好きでいられるとは思ってもみなかった。これに関しては本当にありがたいと思ってる」

「その仕事が好きじゃなくなっても、それしかできないかもという理由で続けている人はたくさんいると思うけど、僕の場合は純粋に自分のやっている事が好きなんだ」

「クルマに乗ること、そして仲間たちとレースをすること、ボノ(レースエンジニアのピーター・ボニントン)やガレージのみんな、チームのみんなと一緒に仕事をするのが好きなんだ」

「一緒にどん底を味わい、一緒に最高潮を味わう。あの感覚がたまらない」

ハミルトンは2024年以降を考える上で引退が頭によぎった事はないとして、「チームをトップに返り咲かせる」そして「タイトル争いにカムバックする」という2つの「やり残した仕事」を達成すべく、今季の残りを含めた向こう2年半を全力で戦っていくと誓った。

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