ハースF1代表シュタイナー、初の著書「Surviving to Drive」出版…激動の舞台裏を本音で語る
ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表の初の著書「Surviving to Drive」が2023年4月20日に出版される。これは激動となった2022年シーズンのチームの舞台裏を描くものだ。
Netflixの人気F1ドキュメンタリー「Drive To Survive(放題:栄光のグランプリ)」への出演を経てシュタイナーの人気は右肩上がりだ。強面から発せられる率直な物言いがファンからの支持を集めている。
本書は2022年シーズン中にハースチーム内で起きた出来事を「妥協せず、率直に、かつシュタイナー独特のスタイル」で描いたもので、「スリリングなジェットコースター」の如きモーターレースの世界に読者を誘うという。
ハースにとっての2022年は混沌と激動のシーズンだった。
ロシア軍のウクライナ侵攻を経て、開幕直前にタイトルスポンサーのウラルカリ及びニキータ・マゼピンとの契約を解消。その後任に抜擢されたのは、かつてチームを放り出されF1キャリアを失ったケビン・マグヌッセンだった。
2年ぶりのF1復帰を果たした30歳のデンマーク人ドライバーは開幕2戦で立て続けにポイントを持ち帰ると、11月のサンパウロGPではチーム初のポールポジションを獲得。コンストラクター7位に大きな貢献を果たした。
シーズン終盤には7度のF1ワールドチャンピオンに輝いたミハエルの息子、ミック・シューマッハの去就が大きな関心を集めた。ハースは最終的にシューマッハを放出し、3年間に渡ってF1浪人を続けていたニコ・ヒュルケンベルグを起用する事を決めた。
ドライバーの起用と解雇、シーズン前の準備、マシンの設計開発・発表・テスト、そして実際のレースウィーク…紆余曲折満載のこの本は304ページの構成で、来年春にバンタムプレスから英語版が発売される。日本語版の発売に期待したい。
なお、同じハースF1チームからは小松礼雄エンジニアリング・ディレクターが2019年に「エンジニアが明かすF1の世界」を上梓している。オフシーズンのお供に是非。