ルノーのダニエル・リカルドとサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げるハースのロマン・グロージャン、F1フランスGP決勝
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袋小路に迷い込んだハースF1、フランスでワースト2位「史上最悪の週末…だが、諦めたらそこで試合終了だ」

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新興の雄、ハースF1チームは2016年の初参戦以降、フェラーリとの密接な技術提携を背景にフィールド上のダークホースとして目覚ましい活躍を見せてきたが、2019年のフランスGPは「史上最悪の週末」と化した。

ハースは今シーズン、8戦を終えてオーストラリア、スペイン、モナコの3レースでしか入賞していない。1発のタイムこそ速く、安定的にQ3へと進出することが多いもののレースでは苦戦。その最大の原因は、ピレリタイヤを正常に機能させられない事にある。

新しい舗装に高い路面温度。南仏ポール・リカール・サーキットでのレースではケビン・マグヌッセンが完走17位、ロマン・グロージャンはリタイヤという結果に終わった。VF-19より遅かったのはウィリアムズのみ。彼らを除けば事実上のビリだった。

「4年の歴史の中で最悪の週末だったと思う」とギュンター・シュタイナー代表。「(予選だけでなく)レースでも苦戦した。理由は分からない。何が奇妙かって? 我々のマシンは開幕戦の予選で7番手と8番手を獲り、モンテカルロの予選では6番手につけるなど十分素晴らしいにも関わらず、今回突然ワースト2番手になったんだ」

「その理由が何なのかは私に聞かないでくれ。頼むから。私には答えられない。原因を見つけ出さねばならない。こういった状況でレースが終わってしまい心底ガッカリしているが、最悪なのは、その理由を理解出来ていないからだ」

「モントリオールの時よりも遥かに悪かった。カナダでは少なくとも予選Q3に1台を送り込むことができたが、ここではQ1敗退が1台で済んで満足したくらいだ。状況は悪化している」

「気が滅入って憂鬱なわけじゃない。私は現実的だからね。落ち込んではいられない。怒っている…というわけでもない。課題ではあるが、前向きな挑戦ではない。我々はこの状況から抜け出さなければならない。我々は決して諦めない。レースでは、諦めたらそこで試合終了だ。怒りを抑えて、仕事を続ける必要がある」

まるでスラムダンクの安西先生の如く語るシュタイナー代表と同じように、ロマン・グロージャンもまた、失望をあらわにしつつもポジティブな面に目を向けシッカリと現実を見据えている。

「クルマのポテンシャルは出し切った。それが十分じゃなかっただけだ。バランスは問題なかったように思うけど、単純に遅かった。戻って洗いざらい分析し、理由を解明しなきゃならない。本当に苦労している。母国ファンの前でリタイアするのは辛いけど、幾つかパーツを温存する事ができた。レースを続けたとしても、ポイントが得られるような状況じゃなかったから懸命な判断だと思う」

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