レッドブル・ホンダ、牙城攻略で大きな自信「ここで勝てればどこでも勝てる」とホーナー代表
レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、メルセデスがポール・トゥ・ウインで連覇を果たしてきたポール・リカール・サーキットでのポールポジション獲得に大きな自信を得たようだ。
2018年にフランスGPと共にF1カレンダーに復活した欧州屈指のテストトラックは、カタロニア・サーキットと同じ様にクルマの総合力が問われるという点で、シーズン全体を占うに適した場所だ。
第1セクターではブレーキングやトラクション性能が、第2セクターではエンジンパワーとエアロ効率が、そして第3セクターでは中速域のダウンフォースと敏捷性が必要となるこのコースは、これまでメルセデスとルイス・ハミルトンが無敗を誇示してきた。
だが、19日のF1第7戦フランスGP公式予選では、マックス・フェルスタッペンが2番手ハミルトンに0.258秒という大きな差を付けて今季2度目、通算5度目のポールポジションを獲得した。
クリスチャン・ホーナーは伝統的に不得手としてきたコースでライバルを凌駕出来た事は「ファンタスティック」であり「更に自信を得たのは確かだ」と語った。
「明日がどういう結果になるのかを待つ必要があるが、このサーキットは過去数年に渡ってメルセデスの牙城であり続けてきた。故に、ここで勝てるのであれば、どこでも勝てるという事だ」
「無論、課題は多いが、チームの誰もが長時間に渡って働き、途方も無いくらいに上手くやってくれている。今季は現行マシンと来季マシンの開発に加えてコストキャップなど、さまざまな問題があって難しいシーズンだが、チーム全体が今回のように一丸となっている」
「メルセデスに対して、こういう形でプレッシャーを掛ける事ができるのは本当に眼を見張るものがある」
及ばす2番手に甘んじたハミルトンはフェルスタッペンについて「信じられない速さだった。フレッシュなエンジンを手にした彼らはストレートで速い」と、直線区間でのトップスピードの高さに言及した。
クリスチャン・ホーナーはこれについて、セットアップをローダウンフォース寄りに変更した成果だと説明した。
「リアウイングの大きさを見ればメルセデスとの差が分かると思う」とクリスチャン・ホーナー。
「我々はセクター2での空気抵抗を抑える事でストレートでの速度を上げた。それにも関わらず、セクター3のタイムも良かったため競争力のある結果に至ったのだ」
シーズン6戦目のアゼルバイジャンGPで移籍後初優勝を飾ったセルジオ・ペレスも4番手と2列目を確保。レッドブル・ホンダは幅広い戦略的オプションと共に1-2フィニッシュを目指す事になる。
ホーナーは決勝でのメルセデスのパフォーマンスを警戒する一方、「チェコ(ペレス)がバクーでの勝利の勢いのままに上位に食い込んだ事はチームにとって素晴らしい成果だ」として、「2台が揃って上位からスタートするため、我々は様々な戦略的オプションを手にする事になる。クリーンなスタートを切り、素早くピットストップをこなし、優れた戦略を実行する。こうした基本的な事を全てやり遂げる事が重要だ」と締め括った。
ポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手はルイス・ハミルトン(メルセデス)。3番手はバルテリ・ボッタス(メルセデス)という結果となった。
2021年 F1フランスグランプリ決勝レースは、日本時間6月20日(日)22時にスタート。1周5,842mのポール・リカール・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。