インタビューに応えるランス・ストロール
Courtesy Of formula1.com

ストロールQ&A「クラッシュは運がなかっただけ」「成績はマシン次第」

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2017年プレシーズンテスト1では走行する度にクラッシュしマシンを破損させてしまったウィリアムズのルーキー、ランス・ストロール。4日間の日程で行われる2回目のテストの内、ストロールは1日のみの担当となる等、その影響を感じずにはいられない。

一部ファンの間でパストール・マルドナドとの類似点を指摘する声が出るなど何かと話題を振りまいている。参考 : ストロールは第二の”師匠”!? F1ミサイル再びの期待 -相次ぐクラッシュとペイドライバー

果たしてランスは本当にヒヨッコの若造なのだろうか?金の力だけでここまで来てしまったボンボンに過ぎないのだろうか?公式サイトのインタビューの模様を以下に紹介したい。

ストロールへのインタビュー

Q:ランス、先週F1デビューを果たしましたね。少し難しかったですか?何が起こったのでしょう?


ランス・ストロール

「そうだね!いくつかのアクシデントがあったよ。でも多くの点で良いスタートになった。ちょっとしたスピンがあって僕はガレージに戻ったんだけど、残念ながらフロントウイングを壊してしまったんだ。予備のものがなかったので単にツイてなかったんだ。最終日にはいつくかのトラブルが原因でコース外に出てしまった。これが事実だよ。起こってしまったことはさて置き、目の前のことにポジティブに取り組むだけさ。」

Q:あなたはキャリア初期に事故を起こした最初のドライバーではありません。実際、最も印象的な世界チャンピオンの1人であるジェームス・ハントは「壊し屋ハント」と呼ばれるところからキャリアをスタートさせました。


ランス・ストロール

「本当に?それは面白いね、知らなかったよ(笑)」

クラッシュを喫したランス・ストロール
©C4F1

Q:最近の若いドライバーは才能に溢れているように思えます。若くしてF1に乗るというのにはどんなメリットがあると思いますか?


ランス・ストロール

「若くしてF1に参戦するドライバーもあれば、その逆もあるよね。それはそれまでにどんな経歴を歩んできたかによって決まるのだと思うよ。確かに今はトレンド的に20歳以下がもてはやされているかもしれないけど、それはF1に限ったことじゃなく、あらゆるスポーツで起こっているんじゃないかな。」

Q:あなたは、若くしてF1に乗り成功してきているフェルスタッペンの恩恵を受けていると思いますか?チーム側は「次の大きな獲物」を逃したくはないと必死になっているのでは?


ランス・ストロール

「僕には分からないな。マックスはマックスだから僕は彼と自分とを比較しないよ。僕は自分のことをやっているだけさ。彼は明らかに素晴らしい仕事をしてるけど、僕は僕自身に焦点を当ててるよ。チームは若いドライバーを魅力的に見ているかもしれないね。僕には分からないけど。」

Q:ストフェル・バンドーンとエステバン・オコンはルーキのようなものですが、あなたは2017年唯一の”真の”ルーキーです。どのようしてに自分の存在感を高めていきますか?


ランス・ストロール

「マシン次第だよ。考えなきゃいけないことはいっぱいあるけど。唯一言えることは、僕にとってはあらゆる物事は明確で、変な期待はしてないってことさ。全てのレースでできる限り多くのことを学びたいと思ってる。それだけさ。」

Q:今年のマシンは肉体的要求が高い上に、あなたは若く、ルーキーで、コースもあまり知らないですよね。どのようにしてここまで来たのでしょう?


ランス・ストロール

「ハードワークと献身的な態度、かな。そして、ジムでは多くの時間を割く!信頼している周りの人達の言葉に耳を傾けるんだ。彼らはできるだけ最も良い方法で僕をバックアップしてくれる。それはすべてチームワークさ。ウィリアムズは僕を信じてくれてるし、それが僕の助けになってる。僕にはコース外で僕を肉体的、精神的に助けてくれる人達がいる。長いシーズンだし、最初のレースは簡単じゃないと思う。スタミナはひとつのキーワードだね。求められていることはわかってるよ。」

シャークフィンを備えたRB13
©redbullracing

Q:ドライバー全員が新しいマシンをべた褒めしていますが、あなたはどうですか?適切なタイミングでF1に参加したと思いますか?


ランス・ストロール

「そうだね、ぼくは今年のマシンが好きだよ!確かに肉体的な要求は厳しいけど、まだ全部のタイヤを使ってないからわからないな。まだまだこれからだね。」

Q:あなたは(資産家の息子だから)快適な生活を送ることができますが、そうではなくF1でのレースを選びました。チャンピオンになるためには多くのストレスや犠牲を伴います。でもあなたはその道を選びました。 注:父フローレンスは大富豪


ランス・ストロール

「刺激のない人生は退屈だよ。僕は常に自分を駆り立てて来たんだ。ひとたびヘルメットを被れば戦うだけさ。僕は競争心の激しい子供だったよ。」

Q:あなたのお父さんは服飾業界の大物です。同じ道を歩む可能性はありましたか?それとも幼い頃からレースの道を進もうと思っていましたか?


ランス・ストロール

「僕は常にレースに集中しているし、何か他のものについてはあまり考えていないんだ。この先どうなるか見てみようよ。今のところ僕の情熱はレースにだけ集中してるよ。」

Q:その情熱はいつ頃芽生えたのですか?


ランス・ストロール

「8歳のときに遊びで始めたんだ。その後どんどんのめり込んでいってね。ヨーロッパに移り住んでから本格的に目覚めたかな。僕はF1でのレースを目指してすべてを捧げてきたよ。」

Q:あなたやお父さんは、速い車が好きだったのですか?


ランス・ストロール

「僕はずっとそうだったね。父はずっとモータースポーツのファンだったけど、僕をF1ドライバーにさせようとはしなかったよ。でも父は可能な限り僕を支えてくれてる。僕らはひとつのチームなんだ。」

Q:グリッド上で最も経験豊富なドライバーの一人であるフェリペ・マッサがチームメイトです。先輩としての彼から多くの事が学べると思いますが、どうでしょうか?


ランス・ストロール

「確かに彼は今年のようにレギュレーションの大きな変更がある時にはうってつけだと思うし、多くの変化をたくさん経験してきたドライバーだよね。彼は勤勉で真っ直ぐなナイスガイだよ。僕にとっての良いベンチマークだからそこから学ぶつもりさ。」

Q:多くの若手ドライバーと仕事をしているトロロッソのフランツ・トストは、ルーキーは2年目には花開く必要があると言います。あたなはどのように輝くつもりですか?


ランス・ストロール

「今は特に何のプランもないよ。自分自身のことをやるだけさ。目標や期待を定めるのにはまだ時期尚早だよ。まずはレースをして1周1周走るところからさ。」


さて如何だっただろうか?ランス・ストロールはあなたの思った通りのドライバーだっただろうか?それとも少しイメージが変わっただろうか?我々の目には、良く言えば目の前の事に集中するタイプ、悪く言えば近視眼的にものを見すぎてしまい周りの不評を買うタイプ、のように見受けられた。あまり先の展望を持っていないのも特徴的だろうか。

とは言え、F1は結果が全て。早くレースでの彼の姿を見てみたい。