FIA、オスカー・ピアストリのマクラーレンF1契約を有効と判断か…リカルド離脱が確定的な流れに

アルピーヌF1ジュニアのオスカー・ピアストリCourtesy Of Alpine Racing

報道によると、2023年に向けたオスカー・ピアストリとマクラーレンの新たな契約について国際自動車連盟(FIA)の契約承認委員会(CRB)は、アルピーヌとの現行契約があるにも関わらず法的に有効と判断したと言う。

フェルナンド・アロンソのアストンマーチン移籍に伴い、来季アルピーヌでのF1デビューが確実視されていたものの、21歳のオーストラリア人ドライバーは2023年の起用を告げるチームのプレスリリースを真っ向から否定して「来年アルピーヌで走る事はない」と断じた。

ピアストリとマクラーレンとの契約は、アロンソのアストンマーチン移籍が発表された8月1日よりも前の7月30日(ハンガリーGP予選当日)の夜にまとまったとされる。

ピアストリの同意なく強行的に発行した事、発行のタイミングがピアストリの母国オーストラリア時間の深夜であった事から、件のリリースは既成事実を作らんとする試みのようであり、来季の契約に関して法的根拠があるとのアルピーヌの主張には疑わしい部分があった。

マクラーレンは依然として一件に関して沈黙を保っており、またピアストリと両チームとの契約の詳細が公表されるはずもなく、現時点で正確な状況は公式に明らかにされていないが、オランダの「RacingNews365」はCRBがマクラーレンとピアストリとの契約の有効性を確認したと伝えた。

アルピーヌとの現行契約には2023年のオプションが含まれているとされるが、契約書面上で指定された所定の30日以内に権利行使されなかったため無効と判断されたようで、これによりマクラーレンはピアストリとの契約に漕ぎ着けたという。

ピアストリのマクラーレン移籍の可能性については既に広く伝えられていた通りだが、その役割がリザーブなのか、レギュラードライバーなのかについては不透明だった。

これに関して同メディアは、ピアストリがダニエル・リカルドの後任として1年のオプション付きの2年契約で2023年以降、ランド・ノリスのチームメイトを務めるとも報じた。

ただし、チーム側が違約金を支払うのか、あるいはドライバー側がF1引退あるいはチーム離脱の意思を自ら表明したのかなど、2023年までの契約を持つリカルドがどういった経緯でチームを離れる事になるのかについては触れられていない。

リカルドが現役続行を望む場合、最も可能性が高いのはアロンソの後任としてアルピーヌに移籍するシナリオだ。アルピーヌの候補にはミック・シューマッハ(ハース)の名前も上がり始めている。

なおイギリスの「Autosport」は、マクラーレンがリカルドに対して来年はピアストリと交代させる意向である事を正式に伝えた可能性があると報じ、相当額の違約金が発生する見通しだと伝えた。

ピアストリのマネージャーを務めるマーク・ウェバーはマクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表と親しい間柄にある。両者はFIA世界耐久選手権(WEC)でポルシェと共に仕事をしていた。

また、悪名高いクラッシュゲートの首謀者としてF1から追放されていたフラビオ・ブリアトーレとも親しい。ウェバーは彼からマネジメント・スキルを学んだ。ブリアトーレは一連の騒動の発端となったアロンソのアストンマーチン移籍をまとめた人物でもある。

ブリアトーレという稀代の曲者が絡んでいる事が公然の事実であったにも関わらず、交渉上、圧倒的優位にあると見誤った事でアルピーヌはアロンソとピアストリという2つの有力な選択肢を同時に失った。怠慢、自惚れとの批判は免れそうにない。

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