1971年から1973年のスポーツカー世界選手権用プロトタイプレーシングカー「フェラーリ・312PB」、2008年8月30日ハンガロリンクにて
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

フェラーリ、2023年WECハイパーカー参戦へ…1973年以来50年ぶりにルマン最高峰に復帰

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フェラーリはイタリア現地2月24日(水)、2023年のFIA世界耐久選手権(WEC)ル・マン・ハイパーカー (LMH) への参戦プログラムを開始すると発表した。

ファクトリーチームとしてのル・マン最高峰クラスへの参戦は「312PB」による1973年以来50年ぶり。1973年以来、フェラーリは伝統的にスポーツカープログラムを外部サプライヤーや関連会社に頼ってきた。

ハイパーカー・カテゴリーは2021年に向けて新設されたもので、フェラーリは既に同カテゴリーへの参戦を表明しているトヨタ、グリッケンハウス、プジョー、ポルシェ、アウディといった自動車メーカーに加わる事になる。

LMHマシンに関する研究と分析を経て、マラネッロは今後数週間に渡ってシミュレーションと基本設計を行った後、本格的なマシン開発を開始する。マシン名やドライバーについては追って発表される。

フェラーリは9度のル・マン総合優勝を誇る輝かしい歴史を持つチームであり、初勝利は対フォードを制した1965年。2019年にはAFコルセがフェラーリ488GTE EvoでGTEプロカテゴリーを制覇するなど、近年のフェラーリはGTカテゴリーで多くの成功を収めてきた。 

フェラーリのジョン・エルカン社長は「70年以上に渡ってサーキットで先端技術を追求してきた事が、マラネロの傑出したロードカーを可能としてきた。フェラーリは今一度、世界的なモータースポーツイベントの主役となるべく決意を表明する」との談話を発表した。

FIAのジャン・トッド会長はフェラーリの参戦を「FIA、フランス西部自動車クラブ(ACO)、そしてモータースポーツ界にとってのビッグニュース」と評し、旧知の名門ブランドへの大きな期待感を示した。

また、FIA耐久委員会のリチャード・ミル委員長は「我々はル・マン・ハイパーカーのコンセプトを開発するために多くのリスクを冒してきた。輝かしい記録を持つフェラーリの復帰に満足している。やるべき事はまだ山積みだが、数年後のグリッドは史上最強のものとなるだろう」と語った。