カルロス・サインツがドライブするフェラーリSF-24のコックピット周り、2024年F1マイアミGP
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

フェラーリSF-24 EVO「レッドブル型反転ダクト」を含む大規模アップグレードで見違える姿に

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数カ月間に及ぶCFD、風洞での開発を経て、スクーデリア・フェラーリの2024年初の大規模アップグレードの詳細が明らかとなった。これにはレッドブルRB20が先鞭をつけた上下反転のオーバーバイト型サイドポッド・インレットが含まれている。

スクーデリアは2024年5月10日(金)、フィルミングデーを利用したフィオラノ・サーキットでのテストに、今季3回計画されている内の最初のメジャー・アップグレードを持ち込んだ。午前にシャルル・ルクレールが、午後にカルロス・サインツがSF-24のステアリングを握り、計200kmを走行した。

エンリコ・カルディーレ率いるマラネッロの技術部門が開発した新たなパッケージには、リップとダクトの配置が反転したインレット、全体的な形状が変更されたサイドポッド、刷新のフロア、ボディーワーク、前後ウイング、コックピット周りの空力パーツが含まれている。

最も目を引くのは”オーバーバイト・インレット”、別の言い方をすれば”シャーク・インレット”だが、「P字」スタイルを採用するメルセデスW15のように、車体に沿うように配置された縦型ダクトがこのメインダクトと統合されている点も興味深い。

これに伴い、ヘイローの付け根(AWSのロゴの直下)にあった排出用のベントが取り除かれた。昨年型「SF-23」で登場したSダクト・システムは廃止されたのかもしれない。

スクーデリア・フェラーリの2024年型F1マシン「SF-24」サイドポッドとフロント・サスペンションCourtesy Of Ferrari S.p.A.

スクーデリア・フェラーリの2024年型F1マシン「SF-24」サイドポッドとフロント・サスペンション

なお反転ダクトのアイデアは、オフシーズン中にレッドブルからフェラーリに移籍した技術者達からもたらされ、これをフェラーリの空力エンジニアが評価。自車に取り入れる決定を下したとされる。

新しいサイドポッド・インレットと完全に再設計されたフロアにより、ダウンフォースと空力効率の改善が期待される。最大で1周あたり0.3秒のゲインに繋がる可能性があるこのパッケージは、次戦エミリア・ロマーニャGPで如何ほどのパフォーマンス向上を見せてくれるのだろうか。

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フェラーリは開幕6戦を終えて187ポイントを獲得。コンストラクター選手権リーダーのレッドブルに52点差の2位につけている。

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