フェラーリ、F1カナダGPに向けトラブル根本解決至らず短期対処
F1第8戦アゼルバイジャンGPで発生した油圧トラブルに関してスクーデリア・フェラーリは、第9戦カナダGPに向けて「短期的な修正」を施すと明らかにした。根本的な解決には時間が掛かるようだ。
なおパワーユニットのトラブルについては、問題の個体がまだマラネロに到着していないため評価できておらず、15日(水)夕刻までに最初の分析を終える予定だと発表した。
フェラーリはバクー市街地コースでのレースで、カルロス・サインツが4番手を走行していた9周目にハイドロの問題により、シャルル・ルクレールは首位を走行していた20周目にエンジンブローにより、各々リタイヤを余儀なくされるという大惨事に見舞われた。
悲劇的結末から2日を経てフェラーリは14日(火)、サインツのトラブルについては既に検査が終了したものの、根本的な解決には時間を要するとの事で「短期的な修正を行う。中長期的な解決策については作業を進めている」と発表した。ジル・ビルヌーブ・サーキットで開幕を迎える次戦は3日後に迫っている。
また、ルクレールのPUについては翌水曜にファクトリーに到着する予定だと明かし、「夕方には初期評価が完了する予定」だと説明した。フェラーリの2022年型F1パワーユニット「066/7」は先代と比べて飛躍的に競争力を上げているが、同時に信頼性トラブルが多発している。
ルクレールはバクーで年間上限となる3基目のターボチャージャーを開封した。ICE(内燃エンジン)を含むその他のコンポーネントに関してはまだ余裕があるものの、シーズン中のグリッド降格は避けられない見通しだ。
ジル・ビルヌーブはロングストレートと深く切れ込むコーナーの組み合わせが特徴の典型的なストップ・アンド・ゴーで、新品エンジンのアドバンテージが比較的大きく、3基目のICEを開封するインセンティブがある。
バクーでのWリタイヤによりフェラーリは、コンストラクターズ選手権でレッドブルに80ポイント差をつけられ、ルクレールはドライバーズランキングで首位マックス・フェルスタッペンに34ポイント差の3位に後退した。
なおルクレールはモントリオール便に乗り遅れたようで、予定よりも遅く現地入りする見通しだ。