さらばバスタブ…フェラーリ、F1スペインGPでレッドブル風サイドポッドを投入
”ゼロポッド”を捨てたメルセデスに続き、今度はスクーデリア・フェラーリがF1第8戦スペインGPに向けて、一部で”バスタブ”とも呼ばれていた上面の独特な窪みが特徴のサイドポッドを刷新した。
スプリントを含めてアゼルバイジャンGPでは2つのポールポジションを独占するなど、フェラーリの2023年型「SF-23」は1ラップペースこそレッドブルに迫るものがあるが、それをレースペースに反映させる事ができず、開幕6戦を終えて表彰台は僅か1回。ランキング4位に甘んじている。
週末を通して使用されるのか、また何セットが用意されているのかなど詳細は不明だが、スペイン「DAZN」でアナリストを務めるアルベルト・ファブレガによると、フェガーリは木曜のカタロニア・サーキットに新型のサイドポッドとフロア、エンジンカバー、リアビューミラーを含むアップグレードを持ち込んだ。
Nuevos pontones y tapa motor para el Ferrari. Más túnel y mejor empaque zona radiadores. Da la sensación que tiene más pendiente hacia abajo
New sidepods and engine cover for Ferrari. More under tunel and better packaging on cooling area. Seems more downwash than previous#f1 pic.twitter.com/0oiGdG6UoY
— Albert Fabrega (@AlbertFabrega) June 1, 2023
”ゼロポッド”とも呼ばれた小型で幅の狭いサイドポッドを排し、前戦モナコGPでダウンウォッシュ型へと変更したメルセデスのアップグレードほど劇的なものではないが、昨年のグランドエフェクトカー導入以来、一貫して採用されてきた”バスタブ”が姿を消すのは少し寂しいものがある。
Comparativa de los nuevos pontones del Ferrari
New Ferrari sidepods comparissions #f1 #SpanishGP pic.twitter.com/051VKugSLk
— Albert Fabrega (@AlbertFabrega) June 2, 2023
今回のアップグレードについてシャルル・ルクレールは、コンセプトを刷新するようなものではなく「大きな奇跡」は望めないとしながらも、空力的にピーキーであるというSF-23の弱点が少なからず改善する事を期待していると語った。
今季の跳ね馬は、風向きや路面のグリップ力といったコンディションの変化に対して過剰に反応する傾向にあり、これがドライバビリティを損ねている。
カルロス・サインツもまた「僅か1戦で人生が変わる事はない」とした上で、「もう少し運転しやすく、もう少し一貫性のあるより良いレースカー」が得られる事を信じていると語った。
フレデリック・バスール代表によると、フェラーリは総合テスト地として名高い今週末のバルセロナでアップグレードの検証を行った後、カナダ、オーストラリア、イギリスと続くこの後の「2・3レース」でもアップグレードを投入していく計画だ。