シムレース中のマックス・フェルスタッペン、2016年F1オーストリアGPにて
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F1:現代の若者は現実のレースより「eスポーツ」に興味ありとの調査結果

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今の若者達は伝統的なスポーツよりeスポーツに高い関心を持っている…F1と市場調査会社「The Insights Family」が実施した調査報告は、中高年以上のファンにとって衝撃的な事実を明らかにした。

これは12歳~18歳の162,774人をサンプルとして、7つのマーケットを対象に質的調査と量的調査を組み合わせて実施されたもので、その目的は「未来のファン」の実像を描き出す事にある。

報告書はジェネレーションZ、つまり幼い時からパソコンやスマホなどのデジタルデバイスに囲まれて育った1990年代以降生まれの世代が「伝統的なスポーツよりもesportsに高い関心を持っている」と記した。

今年の5月から6月にかけて「オリンピック・バーチャル・シリーズ」の名のもとに、自動車競技(グランツーリスモSPORT)、野球(パワフルプロ野球)、自転車競技(Zwift)、セーリング(Virtual Regatta)、ボート競技(World Rowing)の5種目が実施されるなど、eスポーツは世界的に高い人気を誇っている。

グランツーリスモSPORTにて提供されるマツダのバーチャルレースカー「MAZDA RX-VISION GT3 CONCEPT」Courtesy Of Mazda Motor Corporation

グランツーリスモSPORTで提供されているMAZDA RX-VISION GT3 CONCEPT

調査報告によるとeスポーツに参加している若者(全世界の3歳~18歳)の割合は半数近い41%に達した。これは前年比22%増で、急速に成長している事を示している。

また、コンテンツを消費する場所も上の世代と比べると特徴的で、TwitterやFacebookではなくInstagramやTikTokであり、特に後者は15〜18歳の年齢層に欠かせない存在でYouTubeも人気の高いチャンネルだという。

なお、工学や技術への関心はモータースポーツ・レースへの入口として語られることが多いが、実際、エンジニアを目指す英国の10〜18歳の若者のF1視聴率が平均より86%高い事も明らかとなった。

F1は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを受け、F1 eスポーツ・シリーズやバーチャルGPを主催するなど、ビデオゲーム競技に力を注いできた。中でもランド・ノリスやジョージ・ラッセル、シャルル・ルクレールらが主役となったバーチャルGPは、テレビ放送及びデジタル配信を合わせて3,000万以上の視聴を達成している。

F1バーチャルGP最終カナダのスタート直後の様子copyright FORMULA 1

F1バーチャルGP最終カナダのスタート直後の様子

2017年のリバティ・メディアによる買収以来、F1は先のeスポーツへの注力に加え、SNSを通じてレースハイライトやドライバーの舞台裏等の映像を積極的に公開してきた。

こうした取り組みが功を奏したか。ヨーロッパの主要マーケットにおけるアクティブな若手ファンの数は前年同期比17%増の1,730万人から2,010万人へと増加した。これは6%増にとどまったサッカーより高い成長率だという。

F1のマーケティング・コミュニケーション・ディレクターを務めるエリー・ノーマンは「若い世代をターゲットにした活動が成果を上げていることを確認できた」と述べ、これまでの取り組みの成果を強調した。