スクーデリア・フェラーリのピットウォールに立つマッティア・ビノット代表、F1バルセロナ合同テスト
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F1、2020年シーズン最終戦の来年1月開催を検討…フェラーリ代表明かす

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スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表によると、2020年シーズンのF1はグランプリウィークを通常の3日間ではなく2日間へと短縮した上で、当初11月末の開催を予定していた最終戦を来年1月に延期する可能性があるという。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でアゼルバイジャンまでの8戦がカレンダーから消え去った今、F1とF1チーム達は失われた収益を出来る限り取り戻すべくカレンダーの再編に取り組んでいる。だが、新型肺炎を巡る情勢は悪化の一途を辿っており、26日(木)から27日(金)にかけては全世界で新たに64,502人の確定症例数が確認され、3,273名の方が命を落とした。

特にカレンダー上で多くを占める欧州での流行が一向に収束の気配を見せないにもかかわらず、F1の最高経営責任者を務めるチェイス・ケアリーは今週頭に、各地で発効されているロックダウンが解消されれば、少なくとも15戦は開催できるとの考えを示している。

楽観視する背景の一つには、スケジュール変更のための裁量を一元化した点が挙げられる。迅速かつ柔軟な決断を可能とするために、チーム側はカレンダーの再編だけでなく、週末のフォーマット変更に関する決定権を特例的にF1及びFIAに与える事を選んだ。

ビノット代表はSky Italiaとのインタビューの中で「出来るだけ早くレースに復帰できるように、タイムテーブルに関して我々はFIAに完全な裁量を与えることにした」と述べ、その理由を次のように説明した。

「それはつまり、幾つかの変化を期待できるという事だ。例えば、(初日フリー走行を土曜の午前に行う、あるいは中止する事で)週末の日程を2日に短縮してグランプリを連続開催できる余地を作り出したり、来年の1月に幾つかレースを開催する事も考えられる」

最終戦が年明けにずれ込んだ場合、2021年シーズンの開幕までは2ヶ月ほどしか空きがない事になるが、来季に向けてはシャシー開発の凍結が合意されているため深刻な問題となる事もなく、チーム側の理解を得ることも容易だ。

フェラーリの本拠イタリアは新型肺炎の感染者数がアメリカに次いで2番目に多く死者は9,134人に達し、イタリア政府からの指示に応じてマラネロのファクトリーは閉鎖されているため、ビノット代表はオーストラリアから帰国した後は自宅で仕事をしている。

「この状況では個人に責任が求められる。外出しないようにする必要がある。オフィスに出勤するのとは違ってコンピュータを使って自宅で仕事をしているが、少なくとも家族と一緒に昼食と夕食を取れるのは良いことだ」とビノットは語る。

「パイロット達(セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール)とは毎日連絡を取り合っている。電話で話をしたりビデオ通話をしたりね。二人とも元気に自宅にいる。いつものようにトレーニングも積んでいる」