F1チーム所有のジーン・ハース、2024年末を以てNASCARチームを閉鎖
共同オーナーのジーン・ハースとトニー・スチュワートは5月28日(火)、2024年シーズン末を以てNASCARに参戦するスチュワート・ハース・レーシング(SHR)の事業を閉鎖すると発表した。
F1チームを所有するジーン・ハースは2002年、ハースCNCレーシングとしてNASCARに参戦。2009年にシリーズ王者のトニー・スチュワートを迎え入れ、以降SHRは69回のカップシリーズ優勝を果たし、2度のNASCARチャンピオンシップを獲得してきた。
共同声明を通してハースとスチュワートは「この決定は容易に下されたものでも、迅速に下されたものでもない」と述べた。
「揺るぎないコミットメントと莫大なリソースを必要とし、365日に渡って誰よりも勝るとのマインドセットを以て取り組まなければならない。それが成功をやりがいのあるものにしている」
「しかしながら、持続可能性を実現しながら最大限のパフォーマンスを引き出すために必要なそのコミットメントは、信じられないほど厳しい」
「我々は各々の個人的およびビジネス上の観点から、バトンを渡す時が来たと考えるようになった」
王者獲得経験のあるスチュワート、ケヴィン・ハーヴィック、クリント・ボウィヤーはNASCARでの現役を引退しており、SHRは2022年を最後にカップシリーズで優勝できていない。
SHRは主に最高執行責任者でジーン・ハースの腹心であるジョー・カスターが運営を取り仕切ってきた。
71歳のアメリカ人実業家、ジーン・ハースはNASCARチームと並行し、米国カナポリスを拠点としてハースF1チームを率いている。小松礼雄がチーム代表を務めるハースF1チームはニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンと共に、今季開幕8戦を終えてコンストラクター選手権7位と好調だ。
ハースが今後もF1を継続するのか、あるいは撤退する計画があるのかどうかは不明だが、NASCARチームの閉鎖発表に先立ち行われたF1モナコGPの週末にモハメド・ベン・スレイエムFIA会長は、従来の立場を変え、GM傘下のキャデラックと提携してF1への新規参戦を目指すマイケル・アンドレッティに対し、11番目のチームとしてではなく、既存チームを買収してF1に参戦するよう促した。
また、同じくモナコでは、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、ザウバーのアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ代表、RBのローラン・メキーズ代表、そしてアルピーヌのブルーノ・ファミン代表が、アウディがザウバーを買収したように既存チームを買収する事がアンドレッティの「目標達成への最善の道であることは明らかだ」と口を揃えた。