F1サンパウロGPスプリント:スタートタイヤ戦略とグリッド…天候とアルボン指摘の「紙ヤスリ」はサプライズを生むか?
日本時間11月2日(土)23時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第21戦サンパウロGPスプリントのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、および予想されるスタートタイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。
スターティンググリッド
スプリント予選4番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、今季6基目のICE(内燃エンジン)を開封して5グリッド降格ペナルティを受けたが、これは日曜のレースに適用されるため、スプリントのグリッドへの影響はない。
最前列を独占したマクラーレンは、フェルスタッペンとのタイトル争いを考慮し、ポールポジションのオスカー・ピアストリにチームオーダーを発動する可能性がある。ピアストリはランド・ノリスに勝利を譲り、2位に甘んじる用意があるとしている。
フェルスタッペンは4番グリッドに並ぶが、レッドブルRB20は再舗装されたインテルラゴスのバンプによって競争力を発揮できておらず、3度のF1ワールドチャンピオンは厳しい週末になると予想している。
フェラーリはシャルル・ルクレールが3番手、カルロス・サインツが5番手と遅れを取ったが、SF-24が強みとするタイヤに対する攻撃性の低さは、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)が「紙ヤスリ」と評した路面の粗さと、これに伴うデグラデーションを背景に、ライバルに対して強力なレースペースを発揮する可能性がある。
スプリント予選を経てアルボンは「ここのデグラデーションはホント、信じられないレベルだ。このコースはまるで紙ヤスリみたいなんだ!面白いレースになると思うよ」と苦笑いを浮かべた。
以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が発生した場合は更新される。予選結果からの変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | O.ピアストリ | マクラーレン | 1(-) |
2 | L.ノリス | マクラーレン | 2(-) |
3 | C.ルクレール | フェラーリ | 3(-) |
4 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 4(-) |
5 | C.サインツ | フェラーリ | 5(-) |
6 | G.ラッセル | メルセデス | 6(-) |
7 | P.ガスリー | アルピーヌ | 7(-) |
8 | L.ローソン | RB ホンダRBPT | 8(-) |
9 | A.アルボン | ウィリアムズ | 9(-) |
10 | O.ベアマン | ハース | 10(-) |
11 | L.ハミルトン | メルセデス | 11(-) |
12 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 12(-) |
13 | S.ペレス | レッドブル | 13(-) |
14 | F.コラピント | ウィリアムズ | 14(-) |
15 | V.ボッタス | ザウバー | 15(-) |
16 | F.アロンソ | アストンマーチン | 16(-) |
17 | E.オコン | アルピーヌ | 17(-) |
18 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 18(-) |
19 | L.ストロール | アストンマーチン | 19(-) |
20 | 周冠宇 | ザウバー | 20(-) |
レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定されるスタートタイヤ
タイヤ交換義務がないため、注目はスタートタイヤとなる。
昨年のスプリントでは、3台を除く全車がソフトをスタートタイヤに選んだ。ピレリが今週末に持ち込んだコンパウンドは昨年より1段階柔らかいため、昨年のソフトは今週末のミディアムに相当する。
ピレリのチーフエンジニアを務めるシモーネ・ベッラは、「スプリントレースの本命は明らかにミディアムだ」と強調した。
とは言え、再舗装された路面は、多くのドライバーの予想に反して、かなり荒れていることが判明しており、驚きの戦略を採る者もあるかもしれない。
気になる天気は…
ミディアムが本命とは言え、それはドライレースの場合に限られる。最大の懸念事項は天候だ。
土曜午前の現地サンパウロは曇り時々晴れの予報で、スタート時刻の現地11時から3時間ほどは持ち堪えそうな雰囲気だが、現地14時以降は雷雨の予報が出ており、ウェットレースの可能性は否定できない。
新しい路面が濡れた際のグリップレベルは未知数であり、特に再舗装直後の路面は表面に油が浮きやすく、グリップが著しく低下する傾向にあるため、そうなった場合のレースは全く予想がつかなくなる。