スタートで先頭を走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2024年5月4日(土) F1マイアミGPスプリント(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

最終アブダビGP後の「F1ルーキー限定スプリントレース」の開催計画が進行中

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F1は現在、若手ドライバーに更なる走行の機会を与える方法を模索しており、これを実現するためのアイデアの一つとして、最終アブダビGP後にルーキーを対象としたスプリントレースの開催を検討している。

F1では毎年、シーズン最終戦の2日後となる火曜日にヤス・マリーナ・サーキットでポストシーズン・テストを開催している。各チームは2台の現行マシンを用意し、その内の1台をグランプリ参戦経験が2戦以下のルーキーに与えなければならない。もう1台は来季用のタイヤテストに使われる。

ヤス・マリーナ・サーキットを周回するハースのニコ・ヒュルケンベルグ、2022年11月22日F1アブダビテストCourtesy Of Haas

ヤス・マリーナ・サーキットを周回するハースのニコ・ヒュルケンベルグ、2022年11月22日F1アブダビテスト

伊FORMU1A.UNOによると、このテストの翌日に若手ドライバーのためのスプリントレースを開催するという案が最近のF1委員会会議で提起された。ただこの日はFIA-F2選手権のテストのために既に枠が埋まっており、経験乏しいルーキーが20台のクルマでレースをすることへの懸念もあり却下された。

そこで、ポストシーズン・テストが行われる火曜当日に、全10チーム、計10名のルーキードライバーを対象として予選を行い、その日の終わりにスプリントレースを開催するという暫定的な計画が提起された。

対象がルーキーに限定されようが、ポストシーズン・テストの一環として行われようが、「レース」であることに変わりはないため、実現に向けては多くの課題がある。

主催者側としては進行管理のための機材やシステム、マーシャルを含めた人材の確保が問題となり、チーム側としてもスタッフや物流面で検討すべき事柄がある。

無観客、F1にとっては非公開で開催するメリットはなく、チャネルを含めて放送・配信面での議論と調整が求められる。また、実現には競技規則の変更、世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認が必要となる。

ステファノ・ドメニカリCEOは9月末までに詳細を話し合うとしており、まずは今週開催されるFIA競技諮問委員会の会合で、各チームのスポーティングディレクターによって議論される予定だ。

英AUTOSPORTによるとドメニカリはイタリアGPを前に「ヤスマリーナでのテスト中に、経験を積む機会と活躍できる場を若手に提供する方法について検討している。単にテストを行うだけでなく、競争の場でそれを実現することが目標だ。それは次のステップに備えるための彼らのトレーニングに間違いなく役立つだろう」と語った。

来季F1デビューが予定されるオリバー・ベアマンとジャック・ドゥーハン、そしてアンドレア・キミ・アントネッリを擁するアルピーヌとハース、そしてメルセデスにとってこのアイデアは魅力的だ。

アントネッリとの契約はモンツァで正式発表される予定で、伊紙ラ・レプッブリカによるとドメニカリは「ついにイタリア人がF1に戻ってくる。イタリア人として誇らしい知らせだ」と語った。

2024年中の開催が実現した場合、チームは少なくとも1回はFP1で走行した経験を持つドライバーを起用することになるだろう。これにはレッドブル/RBの岩佐歩夢とアイザック・ハジャー、ウィリアムズのフランコ・コラピントとザック・オサリバン、アストンのフェリペ・ドルゴヴィッチ、フェラーリのロバート・シュワルツマンらが含まれる。

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