レースを終えてパルクフェルメからガレージに戻るフェラーリのカルロス・サインツ、2021年10月10日F1トルコGP決勝レースにて
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

サインツが最多追い抜き、ペレスに並ぶ3位に浮上!角田裕毅は伸びず / F1オーバーテイク賞ランク 第16戦トルコGP終了時点

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イスタンブール・パーク・サーキットでのF1第15戦ロシアGP決勝レースでは、エンジン交換ペナルティによる最後列スタートから8位入賞を飾ったカルロス・サインツ(フェラーリ)が最多オーバーテイクを記録した。

「レーシングドライバーとして最も楽しいレースのひとつだった」とレース後に笑顔を見せたサインツは、ダニエル・リカルド(8回)、ルイス・ハミルトン(6回)、ニコラス・ラティフィ、キミ・ライコネン、アントニオ・ジョビナッツィ(各4回)を抑える最多12回の追い抜きを成功させた。

オーバーテイク・ランキングで首位を走るセバスチャン・ベッテルは、ミディアム交換のギャンブルが失敗に終わった事もあり1回を増やしたのみだが、迫りくるフェルナンド・アロンソを1回差で抑えてトップを維持した。

2戦前まで6位につけていた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は一度もオーバーテイクする事ができず、前戦に引き続き今回もポジションを一つ失い8位に後退した。僚友のチームオーダー無視でポイント獲得の好機を逃したライコネンが代わって7位に浮上した。

オーバーテイクランク / トルコGP終了時点
順位 ドライバー オーバーテイク数
1 セバスチャン・ベッテル 96
2 フェルナンド・アロンソ 95
3 セルジオ・ペレス 90
3 カルロス・サインツ 90
5 ランス・ストロール 85
5 ダニエル・リカルド 85
7 キミ・ライコネン 78
8 角田裕毅 74

Driver of the Dayにも選出されたサインツはヘルメットを脱ぐと「僕にとってのベストレースの1つで、たぶんフェラーリでは最高のレースになったんじゃないかと思う!」と喜びをあらわにした。

「トリッキーなコンディションだったから、第1スティントは本当にヒヤヒヤしたけど本当に楽しかった。あらゆるラインを使ってコースの至る所でオーバーテイクできたからね」

「ピットストップの際にタイムをロスするトラブルに見舞われてしまったのは残念だった。タイヤ交換そのものは速かったけどリリースが遅れてしまった。何が原因だったのかを分析しなきゃならない」

「オコンの後ろじゃなくランド(ノリス)のすぐ後ろでコースに戻れていれば良かったんだけど…終盤10周のペースを考慮しても、(ピットでの遅れがなければ)もっと上位フィニッシュ出来たんじゃないかと思う。でも、こういう事は時として起きるものだからしょうがない」

「そうは言っても今日はポジティブな事がたくさんあった。このクルマでのドライビングが本当に楽しくなってきたし、クルマに対する理解が益々深まっているから、この勢いを更に高めてこれからのレースも楽しんでいきたい」

シーズンを通して最も多くのオーバーテイクを記録した勇敢なドライバーを表彰するため、F1は今年「クリプトコム・オーバーテイク・アワード(Crypto.com Overtake Award)」を創設した。受賞者にはシーズン終了後にトロフィーが授与される。

オーバーテイク回数の記録は、1周を20〜25個に分割したミニセクター毎の順位を元に計算される。連続したミニセクター間で順位変動があった場合、先行したドライバーに1回のオーバーテイクが加算される。

1周目の追い抜きは記録の対象外で、スピンやクラッシュ、ピットイン、テクニカルトラブル等の理由によってスローダウンした車両を追い抜いた場合もカウントされない。

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