モンテカルロ市街地コースのルイ・シロン(ターン13)、2024年5月25日F1モナコGP
Courtesy Of Alpine Racing

F1モナコ決勝:タイヤ戦略考と天気、ペナ反映後のスターティング・グリッド

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日本時間5月26日(日)22時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第8戦モナコGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるスタートタイヤ戦略、天気を見ていこう。

変動したスターティンググリッド

リアウイングとフラップ間のクリアランス違反に伴い、予選12番手のニコ・ヒュルケンベルグと15番手のケビン・マグヌッセンが失格処分を受けた事で、ハースは決勝に向けてピットレーンスタートを選択した。

両ドライバーの後退によりダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)とランス・ストロール(アストンマーチン)は1ポジション、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を含む5名は2ポジション昇格した。

ポールポジションに着くのは悲願の母国初優勝を狙うシャルル・ルクレール(フェラーリ)。最前列2番グリッドにはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が並ぶ。

角田裕毅(RBフォーミュラ1)はポイント圏内4列目8番グリッドに着く。隣の7番グリッドに並ぶのは前戦エミリア・ロマーニャGPと同じくルイス・ハミルトン(メルセデス)だ。

以下は暫定のスターティンググリッド。レース直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。

Pos No Driver Team Qualifying
1 16 C.ルクレール フェラーリ 1(-)
2 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 2(-)
3 55 C.サインツ フェラーリ 3(-)
4 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 4(-)
5 63 G.ラッセル メルセデス 5(-)
6 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 6(-)
7 44 L.ハミルトン メルセデス 7(-)
8 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 8(-)
9 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 9(-)
10 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 10(-)
11 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 11(-)
12 3 D.リカルド RB ホンダRBPT 13(+1)
13 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 14(+1)
14 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 16(+2)
15 2 L.サージャント ウィリアムズ・メルセデス 17(+2)
16 11 S.ペレス レッドブル・ホンダRBPT 18(+2)
17 77 V.ボッタス ザウバー・フェラーリ 19(+2)
18 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 20(+2)
19 27 N.ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 12(-7)
20 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 15(-5)

レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

想定されるスタートタイヤ戦略と天気

身も蓋もない話だが、モナコのレースストラテジーは1ストッパー一択だ。

モンテカルロ市街地コースはオーバーテイクが事実上不可能であり、カレンダーの中で何処よりもトラックポジションが重要で、例えタイヤの履歴差が30周あっても前走車両を追い抜く事は難しい。過去10大会の統計では、1レースあたりの平均オーバーテイク数は僅か8回に過ぎない。

予選の序盤ラウンドで敗退したドライバーを除いて多くが新品ソフトを使い切っており、主流となるのはミディアムからハードに繋ぐ1ストップ戦略と予想される。

唯一の未知数はピットストップのタイミングだ。ピレリによるとスタートタイヤがミディアムの場合、24~34周目のウインドウがオープンとなる。ただ、セーフティーカー(SC)が導入される等、状況によってタイミングは大きく変わる可能性がある。

過去10大会の中で、バーチャルを含むSCなしにチェッカーフラッグが振られたのは2021年と昨年の2回しかない。

2024年F1モナコGPのタイヤ戦略オプションCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1モナコGPのタイヤ戦略オプション

歴史が示すようにソフトをスタートタイヤに選ぶ者もあるだろう。

78周のレースにおいて、殆ど唯一のオーバーテイクチャンスはスタート後のターン1までの区間だが、追い抜くにはあまりに距離が短く、ソフトの優位性は限定的だ。

とは言え、早めにピットストップを消化して後方に下がり、クリーンエアーを受けてペースを上げ、アンダーカットを狙うアプローチは試す価値がある。

金曜と土曜は好天に恵まれたが、日曜のモンテカルロの天気はどうなのか?

執筆現時点での降水確率は0%とドライレースが期待される。路面温度が上がれば上がるほど、ソフトスタート勢はリアのサーマル・デグラデーションに苦しむことになるかもしれない。

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