F1マイアミGP決勝:タイヤ戦略考と天気、ペナ反映後のスターティング・グリッド
日本時間5月5日(日)29時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第6戦マイアミGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるスタートタイヤ戦略、天気を見ていこう。
変動したスターティンググリッド
インシデントが多発した予選では7件もの調査が行われる展開となったが、グリッド降格ペナルティが科されたものはなかった。
だが、前戦中国GPでセーフティーカー(SC)中に他車を追い抜いたダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)が3グリッド降格を消化するため、フィールド下位3台の並びが変動する。
ポールポジションに着くのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。最前列2番グリッドにはシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並ぶ。
角田裕毅(RBフォーミュラ1)はニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)と共に、ポイント圏内5列目10番グリッドに着く。
以下は暫定のスターティンググリッド。レース直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 1(-) |
2 | C.ルクレール | フェラーリ | 2(-) |
3 | C.サインツ | フェラーリ | 3(-) |
4 | S.ペレス | レッドブル | 4(-) |
5 | L.ノリス | マクラーレン | 5(-) |
6 | O.ピアストリ | マクラーレン | 6(-) |
7 | G.ラッセル | メルセデス | 7(-) |
8 | L.ハミルトン | メルセデス | 8(-) |
9 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 9(-) |
10 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 10(-) |
11 | L.ストロール | アストンマーチン | 11(-) |
12 | P.ガスリー | アルピーヌ | 12(-) |
13 | E.オコン | アルピーヌ | 13(-) |
14 | A.アルボン | ウィリアムズ | 14(-) |
15 | F.アロンソ | アストンマーチン | 15(-) |
16 | V.ボッタス | ザウバー | 16(-) |
17 | L.サージャント | ウィリアムズ | 17(-) |
18 | K.マグヌッセン | ハース | 19(+1) |
19 | 周冠宇 | ザウバー | 20(+1) |
20 | D.リカルド | RB ホンダRBPT | 18(-2) |
スプリントはDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定されるスタートタイヤ戦略と天気
「コンパウンドが少し保守的」であるとして、C2~C4のラインナップでは戦略が大幅に多様化する事は見込めず「昨年と大差ない」と予選3番手のカルロス・サインツ(フェラーリ)が指摘するように、原則的には今年も1ストッパーが主流になると考えられる。
フェルスタッペンはハードからミディアムへと繋ぐ1ストップ戦略で昨年のレースを制した。以下は昨年のドライバー別タイヤ戦略だ。
ヘッド・オブ・カーレーシングとしてピレリF1の現場を統括するマリオ・イゾラは「戦略に関しては、1ストップが最速の選択肢であることは間違いない」と断言する一方、コンパウンドとその使用順序については様々なバリエーションが見られるだろうと予想する。
「C4に関してドライバーたちは、フライングラップにおいては見通しづらいと感じていたものの、今日のスプリントレースでは、明日の午後のグランプリでC4が除外できないことが証明された」
「C2が断然、有利なのは間違いないが、C3やC4を含む全てのコンパウンドが選択肢に入ってくるだろう」
ミディアムをスタートタイヤとして、ハードに繋ぐ1ストッパーが主流となりそうだが、ソフトからハードに繋ぐ1ストップもあり得る。何しろスプリントでソフトを選んだ角田裕毅は、決勝レースディスタンスの3分の1をデグラデーションなしに乗り切ったのだから。
ソフトスタートの場合、ミディアムに比べて5周程度早く最初のピットストップを行う事になる。これによりクリーンエアを得る事ができれば、エキサイティングな順位変化が見られるかもしれない。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームはデグラデーションがかなり低い。つまり中国や日本とは異なり、翌周にカバーすればポジションを維持できるという点で、基本的にアンダーカットが機能しにくい点も忘れてはならない。また、ハードタイヤを作動温度領域に入れるのが難しいという特徴もある。
日曜のマイアミの天気はどうなのか? 最初の2日間よりも雲が広がる予報だが、雨の可能性はゼロではないものの低い。気温はさほど変わらない見通しだが、直射日光が減って路面温度が下がれば、より一層、ソフトが活躍する可能性が高まるだろう。