F1日本GP決勝:最速タイヤ戦略とグリッド、角田裕毅やフェルスタッペンら”ハード1セット組”はどう出るか
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鈴鹿サーキットを舞台として、FIA-F1世界選手権第17戦日本GPの決勝レースが9月24日(日)の14時にスタートを迎える。スターティング・グリッドと予想される最速タイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。
スターティング・グリッド
パワー・センシティビティが高い、つまりエンジンパワーがラップタイムに与える影響が大きい鈴鹿では計7台が4基目のICE(内燃エンジン)を開封した。これで20台全てがシーズン7戦を残して上限基数に達したが、グリッド降格ペナルティの対象となる者はなかった。
Q1でクラッシュを喫したローガン・サージェント(ウィリアムズ)次第であろうが、少なくとも現時点で予選結果とグリッドに相違はない。
ポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)と共に最前列に並ぶ。角田裕毅(アルファタウリ)は9番手から母国入賞を目指す。
以下は暫定スターティンググリッド。決勝直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 1(-) |
2 | O.ピアストリ | マクラーレン | 2(-) |
3 | L.ノリス | マクラーレン | 3(-) |
4 | C.ルクレール | フェラーリ | 4(-) |
5 | S.ペレス | レッドブル | 5(-) |
6 | C.サインツ | フェラーリ | 6(-) |
7 | L.ハミルトン | メルセデス | 7(-) |
8 | G.ラッセル | メルセデス | 8(-) |
9 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 9(-) |
10 | F.アロンソ | アストンマーチン | 10(-) |
11 | L.ローソン | アルファタウリ | 11(-) |
12 | P.ガスリー | アルピーヌ | 12(-) |
13 | A.アルボン | ウィリアムズ | 13(-) |
14 | E.オコン | アルピーヌ | 14(-) |
15 | K.マグヌッセン | ハース | 15(-) |
16 | V.ボッタス | アルファロメオ | 16(-) |
17 | L.ストロール | アストンマーチン | 17(-) |
18 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 18(-) |
19 | 周冠宇 | アルファロメオ | 19(-) |
20 | L.サージャント | ウィリアムズ | RT |
想定されるタイヤ戦略
ターン3~4、ターン7が再舗装され、ターン1とターン7に新たに排水溝が設けられたものの、コースは基本的に前年と変わっていない。にも関わらず今週末は、タイヤと路面との食付きが悪くグリップが低下し、サーマル・デグラデーションが一部チームを悩ませた。
ピレリは原則として2ストッパー、ソフトを履いてグリッドに着き、その後2セットのハードに履き替えるのが理論上、最も速いストラテジーだと予想するが、これを実行できるチームは限られている。
ポールのフェルスタッペンを含むレッドブルや、母国凱旋の角田裕毅を含むアルファタウリら12台は新品ソフトを1セットしか残していない。2セットを持つのはフェラーリとアストンマーチン、そしてマクラーレンとアルピーヌだ。
だからと言ってフェルスタッペンが劣勢というわけではない。RB19はシーズンを通してデグラデーションが良好だ。ハードを2セット使う必要はないと考えているのだろう。レース終盤は路面にラバーが載り、燃料も軽くなる。更には路面温度も低下する。ハードがなくとも問題ないだろう。
アルファタウリはどう出るか。チーフ・レースエンジニアのジョナサン・エドルズは手持ちに2セットのハードがないため「若干不利」だと認めた。ドライバーのタイヤマネジメントに期待が寄せられている事は間違いない。
ミディアム、ハード、ソフトの2ストッパーが考えられるが、ミディアムはハードほど長くは保たない。またスタート時にソフトを履く後方勢からポジションを死守する必要がある。周囲はハード2セット勢が取り囲む。決して楽なレースにはならないだろう。
正攻法ではポイント獲得の可能性がないと考えるクルマは懸けの1ストップ戦略を採ってくるかもしれない。コースの脇が芝生とグラベルで囲まれる鈴鹿はセーフティーカー(SC)の導入確率が高く、これを期待してハードでスタートする選択肢も考えられるが、序盤にインシデントが起きればおしまいだ。
気になる天気は…
日曜の鈴鹿は晴れの予想で、土曜と概ね同じ気温となりそうだ。雲が広がらずに日差しが降り注げば、序盤は路面温度が50℃近くにまで上がるかもしれない。オーバーヒートに要注意だ。