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F1と国際自連 ブラジルGP強盗事件を受け、セキュリティ対策強化を検討

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11月15日、FIA国際自動車連盟とF1は、先週末のブラジルGPでの複数の強盗事件を受けて、世界モータースポーツ評議会でイベントのセキュリティ強化について検討する事を明らかにした。

F1の商業権保有者は、一連の事件に対する報告書をFIAに提出するとともに、次回12月6日に開催される世界モータースポーツ評議会で議題とするよう連盟側に要請した。会合では、ブラジルのみならず全てのグランプリにおいて、一貫性のある効果的な安全対策及びその手順について話し合いが行われる。

F1は、セキュリティはレース主催者とF1及びFIAとの協力的な取組が必要不可欠な事項だと主張、関係機関及び各利害関係者と協力することで、フォーミュラ1のイベントに携わる全ての人々に安全な環境を提供すると表明した。

サンパウロ南部のインテルラゴス・サーキットで開催された第19戦ブラジルGP(11月10-12日)では、メルセデスのチームスタッフが拳銃を持った強盗に襲撃され金品を奪われた。また、メルセデス、ウイリアムズ、ザウバー、ピレリの関係者も同様の事件に巻き込まれるなど複数の事件が発生。レース主催者は地元警察と協力の上、セキュリティレベルを引き上げた。

グランプリ明けの14日と15日には、ピレリとマクラーレンが同サーキットで2018年タイヤをテストする予定であったが、イベント終了に伴い警備が手薄になることからこれを中止した。

サンパウロ圏では麻薬に関連する組織的犯罪が多発しており、スラム街を活動拠点とする犯罪組織間の抗争事件や、治安当局との間の銃撃戦が後を絶たない状況となっている。2016年の犯罪統計によれば、殺人事件は減少傾向にあるものの犯罪件数自体は増加しており、本年1月以降は邦人が強盗被害にあう事案が連続して発生。11月15日現在までに9件の被害が確認されており,そのうち2件では被害者が銃撃され、内1名の方が亡くなっている。

メルセデスのルイス・ハミルトンは、毎年のようにブラジルで繰り返される事件に憤慨、チームやF1は早急に対策を打つべきと訴えた。また、地元ブラジル出身のフェリペ・マッサは「恥ずべきこと」と嘆き、治安が改善されない限り、引退後に母国に戻ることは考えておらず、引き続きモナコに在住する意向を明かしている。