F1中国GP 2024 スプリント:タイヤ戦略考と天気・グリッド
日本時間4月20日(土)12時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第5戦中国GPスプリントのスターティング・グリッドが発表された。スプリント予選結果からの変動および、予想されるスタートタイヤ戦略、天気を見ていこう。
2024年F1中国GPスプリント・グリッド
スプリントでのグリッド降格の対象となるスプリント予選中の違反行為はなく、現時点では予選結果とグリッドに相違はない。
ポールポジションに着くのはランド・ノリス(マクラーレン)。最前列2番グリッドにはスプリント初優勝を狙うルイス・ハミルトン(メルセデス)が並ぶ。角田裕毅(RB)はポイント獲得の望み薄い19番グリッドに着く。
以下は暫定のスターティンググリッド。スプリント直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | L.ノリス | マクラーレン | 1(-) |
2 | L.ハミルトン | メルセデス | 2(-) |
3 | F.アロンソ | アストンマーチン | 3(-) |
4 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 4(-) |
5 | C.サインツ | フェラーリ | 5(-) |
6 | S.ペレス | レッドブル | 6(-) |
7 | C.ルクレール | フェラーリ | 7(-) |
8 | O.ピアストリ | マクラーレン | 8(-) |
9 | V.ボッタス | ザウバー | 9(-) |
10 | 周冠宇 | ザウバー | 10(-) |
11 | G.ラッセル | メルセデス | 11(-) |
12 | K.マグヌッセン | ハース | 12(-) |
13 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 13(-) |
14 | D.リカルド | RB ホンダRBPT | 14(-) |
15 | L.ストロール | アストンマーチン | 15(-) |
16 | P.ガスリー | アルピーヌ | 16(-) |
17 | E.オコン | アルピーヌ | 17(-) |
18 | A.アルボン | ウィリアムズ | 18(-) |
19 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 19(-) |
20 | L.サージャント | ウィリアムズ | 20(-) |
スプリントはDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定されるスタートタイヤ戦略と天気
週末唯一のプラクティスにおける芝生の延焼による赤旗中断、5年ぶりの上海、物議の路面処理、そして4名の上海ルーキー。不確定要素と準備不足は今季初のスプリントを予期せぬ展開に導く可能性がある。
大部分のチームは各コンパウンドに関する十分なデータがないまま、19周で行われる100kmのスプリントでどのタイヤを履くかを決めなければならない。
メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーチン、RB、アルピーヌはSQ1で初めてミディアムを試した。メルセデス勢とフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は未だ一度もソフトを履いていない。
ピレリのチーフエンジニアを務めるシモーネ・ベッラは、スプリントおよび決勝レースの双方でミディアムタイヤが使用されると考えているが、一部のドライバーはより柔らかいタイヤを選択する可能性があると指摘する。
「特に今朝のフリー走行よりも涼しいコンディションとなる場合、スプリントではソフトが有効な選択肢になる可能性がある」とベッラは語る。
「今日の路面コンディションは全般的に1日を通して急速に変化した。予想に反してグレイニングは見られなかったが、ドライ・コンパウンドに関してはかなりのデグラデーションが見られた」
「ただし戦略に関して明確なアイデアを得るには時期尚早だ」
「スプリントレースはロングスティントでのタイヤの挙動を確認するための絶好のテストセッションになるだろう」
土曜の上海は、日中に関しては降水確率が10%以下と、スプリントおよび予選ではドライ・コンディションが予想される。
仮に雨雲が到来すれば2番グリッドのハミルトンにとって恵みの雨となる可能性があるが、ドライであればフェラーリ勢が競争力を取り戻してくる可能性が高い。
金曜のデータを見る限り、マクラーレンはコンディションに関わらずペースがありそうだ。レッドブル勢はドライになればマクラーレンより力強いレースペースを発揮するだろうが、その差は僅かであり、オーバーテイクを決められる程の競争力があるかどうかは未知数だ。
最大の課題はオープニングラップだろう。仮にドライになったとしても、路面のラバーはすべて洗い流されてしまっており、完全なグリーンでレースはスタートする。
不評の低グリップ路面がドライバーを翻弄するであろう事は疑いなく、一旦レース展開が落ち着いた後は左フロントタイヤのマネジメントが必要だ。
ポイント獲得の希望が見えない後方勢にとっては、予選と決勝レースに向けてのセットアップ変更に役立つデータを収集する事に焦点を当てることになるだろう。