F1、開幕戦を前に物議アブダビの再発を防止すべくセーフティカー規定を変更
F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は、2022年シーズンの開幕バーレーンGPを直前に控えた3月15日(火)、セーフティーカー(SC)の解除に関するスポーティング・レギュレーションを改訂した。
劇的なタイトル決定戦となった昨年の最終アブダビGPでは、最終盤のクラッシュに伴い導入されたSCの解除に際し、FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシがレース再開に際して一部の周回遅れのマシンのみにラップバックを指示した。
結果、2番手を走行していたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が最終ラップでルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜き去り、劇的なタイトルを掴み取る事となった。これに関してはリザルトを意図的に変えた等として批判の声が上がり、マシは最終的にF1レースディレクターを解任されるに至った。
ラップバックが指示されたのはトップを走るハミルトンとフェルスタッペンとの間にいた5台のマシンのみだった。
レース再開時のラップバックの対象となるマシンについてレギュレーションは、「all」とは記しておらず「any」と定めていた。つまり、必ずしも全車がラップリーダーとSCを追い抜く必要はなかった。
初戦を前にした火曜日発行の2022年F1スポーティング・レギュレーション第5版では、SC解除について定めた第55条13項に修正が加えられた。その条項には次のように書かれている。
「コースクラークが安全と判断し、公式メッセージシステムにより全競技者に”LAPPED CARS MAY NOW OVERTAKE”のメッセージが送信された場合、周回遅れの車両はすべて、先頭車両及びセーフティーカーを追い越すことが求められる」