フェラーリF1-75でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するカルロス・サインツ、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目
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F1バーレーンテスト《2日目》総合結果:サインツ、フェルスタッペン抑えて最速…最多周回は角田裕毅

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2022年F1バーレーンテスト2日目のセッションが3月11日(金)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで8時間に渡って行われ、フェラーリF1-75を駆るカルロス・サインツがタイムシートのトップに立った。

この日は幾度もの赤旗が振られた事で少なくない走行時間が失われたが、午前担当のシャルル・ルクレールと合わせて計110周を重ねたフェラーリを含め、5チームが100周を超えるマイレージを稼いだ。

サインツの後方0.479秒の2番手にはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが続いた。計測時のコンパウンドは同じC4。86周を走り込んだ。

3番手はアストンマーチン。C4タイヤを履いたランス・ストロールがフェルスタッペンに1000分の53秒差の自己ベストを刻んだ。ただ、午後のセッション残り10分というタイミングでピットレーン出口手前でストップする場面もあった。

午前を担当したセバスチャン・ベッテルはアウタートラックにクルマを停める場面もあり周回数は46周を伸びなかったが、チームとしては116周を計上した。

メルセデスW13は依然として激しいポーパシング現象に見舞われた。午前を担当したジョージ・ラッセルは67周を、午後にステアリングを握ったルイス・ハミルトンは47周を走り込み、トータル114周を重ねた。ハミルトンは15名の中で唯一、最も柔らかいC5タイヤを履き4番手タイムをマークした。

アルピーヌは終日、エステバン・オコンがA522をドライブ。午前のセッションで暫定トップに立ち順調にプログラムをこなしていたが、3桁の大台に乗った直後ストップ。赤旗が振られた。

チームから予防措置としてクルマを停めるよう指示が飛んだ事が理由だが、興味深い事にウィリアムズのアレックス・アルボンも初日、100周に乗せた直後にトラブルに見舞われた。当然に単なる偶然だろうが。

オコンは一段硬めのC4タイヤでハミルトンにコンマ1秒差の5番手タイムを残した。

アルピーヌA522でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するエステバン・オコン、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

アルピーヌA522でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するエステバン・オコン、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目

度々セッションが中断される状況の中、最多ラップを稼いだのはアルファタウリの角田裕毅だった。AT03は信頼性を発揮。1日を通して120周を走り込み、C3タイヤで10番手タイムを刻んだ。

アルファタウリAT03でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回する角田裕毅、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

アルファタウリAT03でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回する角田裕毅、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目

ハースはミック・シューマッハに代えて午後に待望のケビン・マグヌッセンを起用した。29歳のデンマーク人ドライバーは、2年ぶりのF1マシンながらもC3タイヤでチームメイトを3秒上回る7番手タイムをマーク。42周を走り込んだ。

シューマッハの方はエキゾーストにトラブルが発生した事で早々にセッションを切り上げざるを得ず、午前の4時間で走行できたのは23周に過ぎなかった。

なお貨物機遅延への特別配慮として、ハースは2日目の公式セッション終了後に1時間、最終3日目の午前に1時間、そして夜に2時間の計4時間の走行を行う許可を得た。

そんな公式セッション後のエキストラの1時間でマグヌッセンは、サインツより0.325秒速い1分33秒207を記録して全体のトップに立った

ハースVF-22でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するケビン・マグヌッセン、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ハースVF-22でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するケビン・マグヌッセン、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目

信頼性トラブルは既に解決済みかと思われたアルファロメオであったが、午後の周冠宇が48周を重ねた一方、午前を担当したバルテリ・ボッタスはチェッカー直前にストップするなど僅か25周に留まった。

ただ、そんなアルファロメオ以上に走り込めなかったのがウィリアムズだ。

午前のセッション開始から90分間を過ぎたところでニコラス・ラティフィ駆るFW44はリアブレーキからの出火に見舞われた。セッションは30分近くの赤旗中断を強いられ、結局12周を走ったのみでこの日は店じまいとなった。

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回復傾向にあるとしながらも、マクラーレンはこの日も体調不良のダニエル・リカルドに代えてランド・ノリスにMCL36での作業を託した。

依然としてブレーキトラブルに苦しみ午前は29周。残り1時間というタイミングでは、ピットレーン出口でクルマが止まり、赤旗が振られた。ノリスはピットレーンにクルマを押し戻すマーシャルに加わった。

セッション終了後、マクラーレンはコロナの陽性反応が確認されたとして、リカルドの3日目欠席を発表。結局、3日間ともノリスが走行を担当する事が決まった。

マクラーレンMCL36でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するランド・ノリス、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

マクラーレンMCL36でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するランド・ノリス、2022年3月11日F1バーレーンテスト2日目

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 カルロス・サインツ フェラーリ 1:33.532 60
2 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:34.011 + 0.479 86
3 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:34.064 + 0.532 70
4 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:34.141 + 0.609 47
5 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:34.276 + 0.744 111
6 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:34.366 + 0.834 54
7 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:34.532 + 1.000 45
8 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:34.609 + 1.077 60
9 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:36.020 + 2.488 46
10 角田裕毅 アルファタウリ 1:36.802 + 3.270 120
11 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:36.987 + 3.455 25
12 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:37.846 + 4.314 23
13 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:38.585 + 5.053 67
14 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:39.845 + 6.313 12
15 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:39.984 + 6.452 48