DRSトレイン状態で最終コーナーを次々に立ち上がるF1マシン、2022年7月10日F1オーストリアGP決勝レースにて
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F1オーストリアGP、64件抹消のトラックリミット祭りに…ドライバー及びターン別違反集計

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7月10日(日)にレッドブル・リンクで71周に渡って行われたF1第11戦オーストリアGPの決勝レースでは、全44件のトラック・リミット違反があり、16名計64周分のラップタイムが抹消された。

トラック・リミットはF1競技規定第33条3項にて定められたコース域外走行を禁じるものだ。コースを”白線に囲まれたエリア”と定義し、これを離れた場合は違反となる。車体の一部でもコースに接していれば違反とはならない。

なお、仮にコースを離れたとしても、他のドライバーによって押し出された場合や、デブリを避けるためなど、コースを離れる正当な理由があれば違反とはみなされない。

オーストリアGPでは、予選、スプリント、決勝の各セッションにおいてトラック・リミットに違反した場合、当該ラップのタイムが抹消されると共に、ターン10での違反に関しては翌周のラップタイムも取り消される事となっていた。

以下は違反回数毎に各ドライバーの抹消タイムを集計したものだ。ラップタイムの右に添えたカッコ内の表記は違反があったターン名で、表記がないものは前周のターン10での違反により抹消されたものだ。

F1オーストリアGP決勝トラックリミット集計
違反回数 ドライバー
チーム
抹消タイム
4回 周冠宇
アルファロメオ
  • 1:12.505 (T10)
  • 1:12.175
  • 1:13.015 (T10)
  • 1:12.225
  • 1:11.476 (T1)
  • 1:11.746 (T9)
セバスチャン・ベッテル
アストンマーチン
  • 1:12.895 (T10)
  • 1:12.168
  • 1:11.360 (T10)
  • 1:11.866
  • 1:11.241 (T9)
  • 1:10.000 (T10)
ピエール・ガスリー
アルファタウリ
  • 1:12.001 (T9)
  • 1:10.858 (T10)
  • 1:11.265
  • 1:11.537 (T10)
  • 1:12.233
  • 1:11.905 (T1)
ランド・ノリス
マクラーレン
  • 1:11.648 (T10)
  • 1:11.615
  • 1:11.332 (T10)
  • 1:11.560
  • 1:11.489 (T1)
  • 1:11.489 (T9)
3回 ルイス・ハミルトン
メルセデス
  • 1:11.802 (T1)
  • 1:10.730 (T10)
  • 1:11.034
  • 1:10.491 (T10)
  • 1:10.731
ランス・ストロール
アストンマーチン
  • 1:11.864 (T10)
  • 1:11.962
  • 1:10.126 (T10)
  • 1:10.004
  • 1:10.019 (T9)
ミック・シューマッハ
ハース
  • 1:11.709 (T9)
  • 1:12.390 (T10)
  • 1:12.905
  • 1:10.132 (T1)
カルロス・サインツ
フェラーリ
  • 1:10.976 (T9)
  • 1:11.100 (T10)
  • 1:10.867
  • 1:09.743 (T1)
2回 アレックス・アルボン
ウィリアムズ
  • 1:12.062 (T10)
  • 1:12.174
  • 1:10.845 (T9)
シャルル・ルクレール
フェラーリ
  • 1:10.883 (T10)
  • 1:11.403 (T10)
  • 1:10.934
ダニエル・リカルド
マクラーレン
  • 1:10.915 (T10)
  • 1:11.617
  • 1:10.622 (T9)
ケビン・マグヌッセン
ハース
  • 1:12.151 (T9)
  • 1:11.913 (T10)
  • 1:11.736
マックス・フェルスタッペン
レッドブル
  • 1:11.912 (T9)
  • 1:10.457 (T10)
  • 1:10.715
ニコラス・ラティフィ
ウィリアムズ
  • 1:12.611 (T9)
  • 1:11.543 (T1)
セルジオ・ペレス
レッドブル
  • 1:12.437 (T9/T10)
  • 1:12.686
角田裕毅
アルファタウリ
  • 1:12.841 (T10)
  • 1:12.133
  • 1:12.178 (T1)

以上の16名の内、セバスチャン・ベッテル、周冠宇、ランド・ノリス、ピエール・ガスリーの4名は計4回に渡って違反があったとして、各々5秒ペナルティと1点のペナルティポイントが科された。

無違反だったのはジョージ・ラッセル、フェルナンド・アロンソとエステバン・オコンのアルピーヌ勢、そしてバルテリ・ボッタスの4名のみだった。

64件の違反はターン10、ターン9、そしてターン1の3箇所のみで発生した。中でも最終ターン10での違反は全体の半分以上、52.3%を占めた。

  • ターン1…8件(18.2%)
  • ターン9…13件(29.5%)
  • ターン10…23件(52.3%)

決勝レースでは20名のドライバーが計1323周を重ねた。抹消されたラップタイムは64周分であるため、全体の4.8%ものラップが取り消された事になる。これは約20分の1、つまりドライバー1名分のレース周回数分に相当する。

なお興味深いことに、同一周回で2回のトラック・リミット違反があったのはセルジオ・ペレスのみだった。ペレスはラッセルとの接触によりマシンにダメージを負った後の14周目、ターン9/10で続けてコースを離れた。

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