マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のリードで開始されたスプリントのフォーメーションラップ、2024年6月29日(土) F1オーストリアGP(レッドブル・リンク)
Courtesy Of Sauber Motorsport AG

F1オーストリア決勝:角田裕毅は一択?タイヤ戦略考と予想天気、スターティング・グリッド

  • Published:

日本時間6月30日(日)22時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第11戦オーストリアGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるタイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。

スターティンググリッド

予選ではポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、5番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)、そして9番手のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がそれぞれ、別の理由で調査を受けたが、いずれもグリッド降格ペナルティを受けることはなかった。

スプリント勝者のフェルスタッペンの隣、2番グリッドにはランド・ノリス(マクラーレン)が並ぶ。最前列の組み合わせはスプリントと変わらない。

角田裕毅(RBフォーミュラ1)はポイント圏外7列目14番グリッドに着く。隣の13番グリッドに並ぶのはかつての仲良しチームメイト、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)だ。

以下は暫定のスターティンググリッド。レース直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。

Pos No Driver Team Qualifying
1 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1(-)
2 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 2(-)
3 63 G.ラッセル メルセデス 3(-)
4 55 C.サインツ フェラーリ 4(-)
5 44 L.ハミルトン メルセデス 5(-)
6 16 C.ルクレール フェラーリ 6(-)
7 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 7(-)
8 11 S.ペレス レッドブル・ホンダRBPT 8(-)
9 27 N.ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 9(-)
10 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 10(-)
11 3 D.リカルド RB ホンダRBPT 11(-)
12 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 12(-)
13 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 13(-)
14 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 14(-)
15 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 15(-)
16 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 16(-)
17 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 17(-)
18 77 V.ボッタス ザウバー・フェラーリ 18(-)
19 2 L.サージャント ウィリアムズ・メルセデス 19(-)
20 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 20(-)

レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

想定されるスタートタイヤ戦略

ピレリのシミュレーションによると、ドライコンディションの場合の最速タイヤ・ストラテジーはC3(ハード)とC4(ミディアム)を組み合わせた2ストッパーだ。

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「これまでにC3を大量に使い、これを返却する選択をしたチームは、ミディアムタイヤを好むだろう。一方で他のチームはより柔軟な対応が可能になる」と語った。

「1ストップは現実的な選択肢ではない。タイヤの摩耗ではなく、デグラデーションとペースがその理由だ」

「ただし、レース後半にセーフティカーが出る場合や、デグが予想以上に高い場合は3ストップもあるかもしれない。この場合、C5タイヤも重要な役割を担う可能性があるが、その可能性は高くないだろう」

F1オーストリアGP決勝レースのタイヤ戦略シミュレーション表、2024年6月30日Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1オーストリアGP決勝レースのタイヤ戦略シミュレーション表、2024年6月30日

マクラーレン、メルセデス、フェラーリ、アルピーヌ、アストンマーチンはハードを1セットしか残していないため、ミディアムを2セットとハードを1セット使う2ストッパーが有力視される。

一方で角田裕毅と周冠宇(ザウバー)の2名に限ってはミディアムが1セットしかないため、ミディアム、ハード、ハードと繋ぐ可能性が高い。

レッドブル、ハース、ウィリアムズ、ザウバーはハードとミディアムの両方も少なくとも2セットずつ温存しているため、より柔軟にレース状況に対応することができる。

気になる天気は…

日曜の現地シュピールベルクは午前に快晴が予想されているが、午後になると雲が広がりだし、夕方以降は雷を伴うにわか雨となる可能性がある。

ただしレース開始時刻の現地15時からの3時間程度は雨の可能性は乏しく、ドライレースが期待できそうな雰囲気だ。

とは言え、突風が吹く見通しもあり、また路面温度も高くなることが予想されるため、雨を免れたとしてもドライバーにとっては難しいコンディションでのレースとなる可能性がある。

2024年大会に向けた変更の一環としてコースとグラベルとの距離が近くなったこともあり、クルマのコントロールを失いやすい条件下でのレースとなれば、目を覆いたくなるような残念な1日を過ごす者もあるかもしれない。

F1オーストリアGP特集