F1の元最高経営責任者チェイス・ケアリー、リバティ・メディアの取締役に就任
F1の商業権を持つ米リバティ・メディアは米国現地2024年12月6日、かつてF1の最高経営責任者(CEO)兼会長を務めたチェイス・ケアリーを2025年1月1日付けで取締役兼経営委員会メンバーに任命したと発表した。
リバティ・メディアは現在、変革の時を迎えており、国際的なスポーツへの投資強化を戦略的に進めている。最近の動きとしては、MotoGPの買収やエンターテインメント部門を切り離すリバティ・ライブ・グループのスピンオフが挙げられる。また、同社のグレッグ・マフェイCEOが今年限りで退任を発表するなど、組織の再編も進行中だ。
ケアリーは、リバティ・メディアが現在進めている事業再編について、「プレミアムスポーツを中心とした、より焦点を絞った資産構成」へと変化している点を評価し、「非常にエキサイティングな局面」にあると述べた。
ケアリーは、2017年のリバティ・メディアによるF1買収において重要な役割を果たしたキーパーソンだ。2016年から2022年までF1の会長職を務め、2017年にはバーニー・エクレストンの後任としてF1のCEOに就任。その後、2021年に現CEOであるステファノ・ドメニカリにその座を譲るまで同職を務めた。
F1の運営方法を刷新し、予算上限や新レギュレーションの導入を推進するなど、F1の近代化と商業的成功に寄与。また、コンコルド協定の取りまとめを通じて、F1全体の競争力と収益性を向上させる基盤を築いた。
それ以前には、ルパート・マードックが所有する21世紀フォックスやニュース・コープで様々な役職を歴任。さらに、2003年から2009年までDirecTVのCEOを務め、その前は1988年からフォックス・コーポレーションで多様な役職に従事した。
リバティ・メディアのジョン・マローン会長は「2008年のDirecTVへの投資から、2017年のF1買収まで、CEOとして重要な役割を果たすなど、チェイスは長年にわたりリバティの素晴らしいパートナーであり続けてきた。彼はF1において成功の基盤を築き、その後のビジネス成長に貢献した。メディア、エンターテイメント、スポーツ、ビジネスにわたる彼の知識と専門性は、我々の企業が次の成長と価値創造のステージを実行していくうえで、取締役会にとって非常に価値のあるものになるだろう」と述べた。