最高気温10℃の極寒の雨予報、ニュルはレッドブル・ホンダではなくメルセデスに有利? / F1アイフェルGP テレビ観戦ガイド
2020年シーズンのF1第11戦アイフェルGP(Formula 1 Aramco Grosser Preis Der Eifel)が、10月9日(金)から10月11日(日)までの3日間の日程で開催される。
舞台となるのはドイツが世界に誇るニュルブルクリンク。2013年以来、7年ぶりのF1復帰を果たす。現地ドイツと日本の時差は7時間で、いずれのセッションも日本時間夕刻から夜にかけて開催される。
今季もF1の地上波やBSでのテレビ中継は行われない。視聴に際しては有料放送か有料ネット配信サービスを利用する必要があるが、いずれも無料期間を設けているため上手く利用したい。
コース及びレース概要
© Red Bull Content Pool、2009年F1ドイツGP決勝スタート直後のホームストレート
ニュルブルクリンクには、73コーナー(左33、右40)を持つ全長20.832kmの北コース、通称ノルトシュライフェと、同5,148mの南コース、通称GPコースがある。アイフェルGPが行われるのはGPコースだ。
F1はもともと北コースで開催されてきたが、1976年にF1ワールドチャンピオンであるニキ・ラウダが瀕死の重傷を負う大クラッシュが発生。これに伴い1984年に新たにGPコースが建設されたが、以降のドイツGPの主役はホッケンハイムリンクに取って代わられた。
ニュルは母国メルセデスに有利?
ニュルブルクリンクは、低中高速コーナーがバランスよく配置されており、メルセデスのW11のアドバンテージが予想される。天候を味方につけない限り、レッドブル・ホンダがシルバーアローの弱点を突くのは難しいかもしれない。
メルセデスは過去10戦全てにおいてポールポジションを獲得。1発の速さでライバルを圧倒している。その内の8本を取ったルイス・ハミルトンは、メルセデス移籍1年目の2013年に行われたニュルブルクリンクで最後のグランプリでポールシッターに輝いている。
ただし、ソチ同様にニュルブルクリンクでのポールポジションの優位性は低い。1984年以降のGPコースでの18回のグランプリの内、ポール・トゥ・ウインは僅かに3回。率にして17%に過ぎない。実際、2013年のポールシッターであるハミルトンは、決勝でセバスチャン・ベッテルに勝利を許している。
開発で出鼻をくじかれたフェラーリは、過去2レース連続の好成績を収めており、ニュルブルクリンクではSF1000にパフォーマンス関連のアップグレードが予定されている。そのため、跳馬が更に一歩前進できるかどうかも注目ポイントの一つとなる。
週末の現地天気
決勝は10月11日に行われるが、これはニュルブルクリンクでのグランプリとしては10月7日に開催された1984年のヨーロッパGPを上回り、これまでで最も遅い時期の開催となる。
執筆時点での天気予報では、今週末のニュルブルグは昼夜問わず3日間とも雨の予報が出ており、予想される最高気温は10℃程度、最低気温は3℃程度と、前代未聞レベルに寒いコンディションが見込まれている。タイヤへの熱入れは非常に難しくなるだろう。
ピレリ曰く、10℃以下の寒冷地ではタイヤに“コールド・クラック”が発生する可能性があるとの事で、チーム側にタイヤ装着と保管に細心の注意を払うよう呼びかけている。
日付 | 天気 | 最高気温 | 最低気温 | 降水確率 |
---|---|---|---|---|
10月9日(金) | 雨 | 12℃ | 5℃ | 50% |
10月10日(土) | 雨 | 8℃ | 2℃ | 40% |
10月11日(日) | 雨 | 8℃ | 4℃ | 40% |
開催スケジュールと放送日程
アイフェル・グランプリは3回のフリー走行と予選、そして決勝の全5セッションで構成される。FP1は日本時間10月9日(金)18時に開始され、決勝は11日(日)21時10分にフォーメーションラップを迎える。フジテレビ及びDAZNともに、フリー走行、予選、決勝の全セッションがノーカット生中継される。
フジテレビNextでは川井一仁、片山右京、松田次生、浜島裕英の各氏が解説を務める。実況は野崎昌一アナウンサー。放送開始時刻は、フリー走行と予選がセッション開始10分前、決勝は40分前となる。
スポーツチャンネルDAZNでは、小倉茂徳、田中健一、中野信治、サッシャの各氏が実況・解説を行う。国際映像以外にもライブタイミングやオンボードカメラ映像を一つの画面で楽しめる「F1ゾーン」が決勝で配信されるほか、サポートレースのFIA-F2選手権(プラクティス・予選は英語実況)も配信される。下記はすべて日本時間。
セッション 開始時間 |
CS放送 フジテレビ |
ネット配信 DAZN |
|
---|---|---|---|
FP1 10月9日 |
18:00- | 17:50- | 18:00- |
FP2 10月9日 |
22:00- | 21:50- | 22:00- |
FP3 10月10日 |
19:00-20 | 18:50- | 19:00- |
予選 10月10日 |
22:00- | 21:50- | 22:00- |
決勝 10月11日 |
21:10- | 20:30- | 21:10- |
タイヤ選択
バラエティに富むコーナーと、7年ぶりの走行、そして未経験の寒い時期のグランプリという事で、公式タイヤサプライヤーのピレリは多様な条件に対応できるよう中間レンジのC2~C4コンパウンドを投入する。
今シーズンのコンパウンドは昨年型と全くの同一仕様ながらも、昨シーズンまでとは異なりアロケーションは全ドライバー共通の固定制で、第11戦に関してはソフト8セット、ミディアム3セット、ハード2セットに固定される。参考:2020年F1後半7戦のコンパウンド
- ハード: C2
- ミディアム: C3
- ソフト: C4