2020年F1アイフェルGPの表彰台でシャンパンを飲むルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペン、ダニエル・リカルドcopyright Red Bull Content Pool

ハミルトン、皇帝に並ぶ史上最多91勝…5台消失の波乱戦で2位にホンダ 3位にリカルド / F1アイフェルGP《決勝》結果とダイジェスト

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2020シーズンFIA-F1世界選手権 第11戦アイフェルGP決勝レースが10月11日にニュルブルクリンクのGPコース(全長:5,148m)で行われ、予選2番グリッドからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンがキャリア通算91勝を上げ、歴代最多優勝記録を持つ7度の皇帝、ミハエル・シューマッハに並んだ。

ハミルトンは、ポールシッターの僚友バルテリ・ボッタスが13周目のターン1でタイヤをロックさせたのを見逃さずオーバーテイク。ラップリーダーに躍り出ると、その後は危なげもなく隊列を先導してトップチェッカーを受けた。

タイヤにフラットスポットを抱えたボッタスは予定外のピットインを強いられた上に、18周目にパワーダウンを訴えた。チームはパワーユニットをデフォルト設定に切り替えるよう指示を飛ばしたが解決せず、ガレージにクルマを入れてクルマを降りた。ERS関係のトラブルとみられる。

レース後のグリッドでは、ミハエルの息子ミックが、父親が使用していたメルセデスのレースヘルメットをハミルトンに贈るサプライズがあった。ハミルトンは「言葉が見つからない。彼は僕にとってのアイドルで、彼を見て僕は育ち、彼の強さに惚れてビデオゲームで”ミハエル”をプレイした。彼の記録に並べるなんて想像だにしていなかった。本当に名誉なことだ」と語った。

今回のニュルではもう一つ偉大な記録が生まれた。アルファロメオのキミ・ライコネンは結果こそ12位と奮わなかったが、キャリア通算323戦目を19番グリッドからスタートし、ルーベンス・バリチェロが保持していた史上最多出走記録を塗り替えて、F1史上最も経験豊富なドライバーとなった。

2位表彰台にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが上がった。2列目3番グリッドからレースに挑み、1分28秒139のファステストラップを刻むと共に、ハミルトンの4.47秒後方でチェッカーフラッグを受けた。3位にはダニエル・リカルドが滑り込み、ワークス復帰後のルノーに初のポディウムとトロフィーをもたらした。

ホンダエンジン勢は、アルファタウリのピエール・ガスリーが殊勲の6位入賞を果たしたが、チームメイトのダニール・クビアトは事故に見舞われた事もあり15位フィニッシュに終わった。

レッドブルのアレックス・アルボンは1周目のターン1でフラットスポットを作って後退し、18周目にはクビアトと接触。クビアトのフロントウィングはコース上に脱落し、アルボンは一件で5秒ペナルティと2点のペナルティポイントを科され、その後はガスリーと争っていた際に再びフラットスポットを作り、24周目にクルマをガレージへと収めた。リタイヤについてチームは「パワーユニットに問題が確認されたため」と説明した。

レースはセーフティーカーやバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入される等、接触事故やメカニカルトラブルなどが相次ぐ波乱の展開となり、先のボッタスとアルボンを含む計5台がリタイヤを喫した。

決勝は、日本時間11日(日)21時10分にブラックアウトを迎え、1周5148mのコースを60周する事で争われた。現地ニュルブルクは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温10℃、路面19.6℃、湿度54.7%のドライコンディションで開始された。限定的ながらもスタンドには観客が入り、レース前のセレモニーではドイツ国歌のオーケストラバージョンが演奏された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは、世界最長のサーキット、ノルトシュライフェを併設するニュルブルクリンクのGPコースに、中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入した。Q3進出組は全車中古のソフトで、タイヤ選択の自由がある11番手以降は戦略が分かれ、ベッテル、ガスリー、クビアト、グロージャンがミディアムを履き、他はソフトを選択した。

注目のオープニングラップ。ターン1で大きな混乱はなく、ポールシッターのボッタスがトップをキープした。ミディアムを履いたアルファタウリ勢は各々2ポジションダウンの出だしとなった。

インフルエンザに似た症状を訴えたランス・ストロールに代わり急遽ピンチヒッターを務めたレーシングポイントのニコ・ヒュルケンベルグは、最後尾スタートから一気に3ポジションアップの17番手に浮上。幸先良いスタートを切ると右肩上がりでレースを進めていった。

タイヤに熱が入らず1周目の後退を強いられたガスリーは、第1スティントを30周目まで引っ張り、ハードタイヤに履き替え12番手でコースに復帰。その後は歩みを止めることなく順位を上げていった。

5番手を走行していたシャルル・ルクレールが11周目にピットイン。アルボンがアンダーカットに成功する形でルクレールの前に出た。同じタイミングでセバスチャン・ベッテルがターン1でスピンを喫してフラットスポットを作り、翌周にハードタイヤへの交換を余儀なくされた。

すると今度はキミ・ライコネンがターン1で止まりきれずジョージ・ラッセルと接触。左リアタイヤが壊れたラッセルはクルマを降りた。リタイア第一号だった。この時フェルスタッペンは、コースの一部で雨が降り始めていると報告していたが、本格的な降雨とはならず、レースは最後までドライに恵まれた。

一件は審議の対象となり、スチュワードはライコネンに10秒ペナルティーを科す裁定を下した。ラッセルの車両回収のために16周目にバーチャル・セーフティカーが導入され、第一スティントを引っ張っていた隊列をリードするハミルトンとフェルスタッペンの2台がピットイン。ミディアムタイヤに履き替えた。

ハプニングは止まらない。ボッタスのリタイヤに続き、今度は得点圏内を走行中のエステバン・オコンが23周目にクルマの不調を訴えてピットイン。ガレージに収まりリタイアした。アルボンもクルマを降りた。

3番手を走行していたランド・ノリスは26周目にパワーユニットの不調を報告。なんとか走行を続けていたが、6番手を走行していた44周目にコース脇にクルマを停めた。このタイミングでセーフティーカーが導入され、3位表彰台を争うリカルドとペレスをはじめとして、半数近いマシンがピットストップ作業を行った。

レースは50周目にリスタートを迎え、ラップリーダーのハミルトンが2番手フェルスタッペンに大きなギャップを築いてターン1を駆け抜けた。ガスリーとヒュルケンベルグはステイアウトを選択したグロージャンを交わしてそれぞれ7番手と8番手に浮上。ガスリーはその後、同じくタイヤ交換をしなかったルクレールを交わして6番手にポジションを上げた。

最終盤はファステストラップ争いが勃発した。まずはハミルトンが最速を刻んだが、ファイナルラップでフェルスタッペンがこれを塗り替え、1点のエキストラポイントをかっさらった。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 60 1:35:49.641 25
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 60 +4.470s 19
3 3 ダニエル・リカルド ルノー 60 +14.613s 15
4 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 60 +16.070s 12
5 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 60 +21.905s 10
6 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 60 +22.766s 8
7 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 60 +30.814s 6
8 27 ニコ・ヒュルケンベルグ レーシングポイント 60 +32.596s 4
9 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 60 +39.081s 2
10 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 60 +40.035s 1
11 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 60 +40.810s 0
12 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 60 +41.476s 0
13 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 60 +49.585s 0
14 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 60 +54.449s 0
15 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 60 +55.588s 0
NC 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 42 DNF 0
NC 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 23 DNF 0
NC 31 エステバン・オコン ルノー 22 DNF 0
NC 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 18 DNF 0
NC 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 12 DNF 0

コンディション

天気
晴れ
気温
10℃
路面温度
19.6℃

レース概要

グランプリ名
F1アイフェルGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
ニュルブルクリンク
設立
1927年
全長
5148m
コーナー数
15
周回方向
時計回り

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