米司法省、リバティメディアの調査を開始…アンドレッティのF1参戦拒否を巡る反トラスト法違反の疑いで
F1の商業権を持つ米リバティ・メディア社が、米国を拠点とするアンドレッティ・グローバルの新規F1参戦を拒否した件を巡ってアメリカの司法省は、反トラスト法違反の可能性があるとして調査を開始した。
リバティ・メディアが書面を通して明らかにした。同社の社長兼CEOを務めるグレッグ・マフェイは2024年8月8日(木)、四半期決算発表の電話会議の中で、司法省の反トラスト局による調査に「全面的に協力する」と投資家に約束した。
米国メディアの報道によるとマフェイは「我々は、関連する情報提供の要請を含めて調査に全面的に協力する意向だ。我々、あるいはF1の決定は、該当するあらゆる米国反トラスト法に準拠していると確信している」と述べた。
ゼネラル・モーターズ(GM)傘下の高級車ブランド、キャデラックと提携してF1への新規参戦を目指すアンドレッティについて国際自動車連盟(FIA)は昨年10月、リソースなどのテクニカル面の調査を経て承認を与えた。
しかしながらF1側は今年1月、チームの競争力を疑問視し、またF1に付加価値をもたらすとは思えない等として、これを却下した。
マフェイは、グリッドの「拡大にはFIAとF1の承認が必要で、両団体が基準を満たしていることを確認しなければならない。我々としては、新規参入者が申請を行い、その要件を満たしている場合には、これを承認することに当然、オープンである」と主張した。
今年5月、マイアミGPの週末に先立ち共和党のジョン・ジェームス議員ら12名の米国議会議員がリバティ・メディアに書簡を送り、アンドレッティの新規F1参戦を拒否した理由や根拠について回答を要求すると共に、反トラスト法に違反している可能性があるとの懸念を表明した。
これに関連してアンドレッティ・グローバルを率いるマイケル・アンドレッティの父、1978年のF1ワールドチャンピオンであるマリオ・アンドレッティはワシントンを訪問した。
米国議会議員535名のうち12名が署名した書簡を通して議員らは、ヨーロッパの自動車関連企業に対してアメリカ企業が不当に不利な扱いを受けているのではないかとの懸念を表明し、アンドレッティの参戦を拒否する事は健全な競争を妨げる可能性があると指摘した。
米国の独占禁止法、通称反トラスト法は、1890年制定のシャーマン法、1914年制定のクレイトン法、そして1914年制定の連邦取引委員会法の3法から構成されるもので、議会議員らは、これに違反している可能性があるとの懸念を示し、F1に対して詳細な説明とその法的根拠を要求した。