デ・フリース、クビ遠のく? 角田裕毅に「以前よりも遥かに接近」とマルコ…アルファタウリにはブレーキ問題解決を要求
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角田裕毅に対して以前よりも遥かに接近していたとしてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはF1第7戦モナコGPを経て、ニック・デ・フリースに対する評価を上げた。
デ・フリースはモンテカルロ市街地コースでの予選で2戦連続のQ2進出を果たし、レースでは今季最高の12位フィニッシュと、今季6戦で初めてチームメイトを上回ると共に、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)を逆転してドライバーズ・ランキング19位に浮上。最下位から抜け出した。
デ・フリースについてマルコはマイアミでの週末を経て「角田裕毅との差が大きすぎる」として、少なくとも第8戦スペインGPまでにドライバーを交代する計画はないとしながらも、”最悪”の場合、ジュニアドライバーの岩佐歩夢かリアム・ローソンが後任としてステアリングを握る可能性があると語った。
デ・フリースは依然としてノーポイントのままだが、マイアミの予選とモナコの決勝で角田裕毅を上回るリザルトを残した事で、当面の間は解雇のプレッシャーが軽減されるかもしれない。
英「Autosport」によるとマルコはモナコでの週末を終えて「これまでのところ、アルファタウリでの彼にとっての最高の週末になった」「ニックは以前よりも遥かにユーキに接近していた。私が彼に望んでいたのはこれだ」と語った。
とは言え、FIA-F2選手権王者、そしてフォーミュラEチャンピオンとして豊富な経験と実績を持つデ・フリースに期待されているのはこのレベルのパフォーマンスではない。
マルコは、現時点ではまだ角田裕毅に「挑戦」できる水準には達していないとして「無論、もっと多くを望んでいる」と付け加えた。
モナコでのレースに関して言えば、角田裕毅は中盤まで入賞圏内9番手を堅持する素晴らしい走りを見せていたものの、雨の到来とともに週末を通して抱えていたブレーキトラブルが悪化。後続のマクラーレン勢に対して為す術なくオーバーテイクを許し、最終15位でクルマを降りる事となった。
マルコは「ユーキもまた、ブレーキトラブルが再発するまでは本当に良かった」と評価し、アルファタウリのエンジニア達に問題の早期解決を要求した。
「これはチームが解決しなければならない問題だ。彼らはあまりにも頻繁にブレーキに問題を抱えている」とマルコは語った。
なお、デ・フリースにとってスペインGPがパフォーマンス評価のための最終期限とするかのような先日の発言についてマルコは、明確な「デッドライン」は設けていないとして「必要に応じて決定を下す事になる」と説明した。
なお現実問題として、岩佐歩夢はスーパーライセンスを持ち合わせていないため、仮にデ・フリースがシーズン途中に解雇されても2023年にF1デビューを飾る事はない。