ラスト13周まで入賞圏内9番手をキープしながらも、雨が路面を濡らした終盤にポイント圏外に転落し、15位という失望の結果で終えた5月28日(日)のF1第7戦モナコGP決勝を経て角田裕毅（アルファタウリ）は、ブレーキトラブルが悪化したために打つ手がなかったと説明した。

前日の予選で自身初となるモンテカルロQ3進出を果たした角田裕毅は、9番手をキープしながらミディアムでの第1スティントを通してタイヤを上手くマネジメント。雨の到来と共に53周目にインターミディエイトに履き替えた。

接触を含むアクシデントさえなければ入賞は手堅い状況であったが、温度絡みだろうか。降雨を経てブレーキへの不満を訴えると、まずは67周目にランド・ノリスに交わされ10番手に後退し、その翌周にはオスカー・ピアストリにもオーバーテープを許してポイント圏外に転落。その後もミラボー（ターン5）で飛び出すなど、一気に15番手にまで転げ落ちた。

曰く、問題が深刻になって以降は「ペースが本当に悪く、何もできなかった」として、クラッシュを避ける事で精一杯だったという。唯一の救いはクルマを無傷で持ち帰った事だろう。

ヘルメットを脱いだ角田裕毅は「ペースは良かったし、特にドライコンディションでは上手くコントロールできていただけに、厳しい結果になってしまいました」と振り返った。

「雨によるミディアムからインターミディエイトに履き替えるピットストップのタイミングは完璧で、チームは素晴らしい仕事をしてくれました」

「ただ、週末を通して抱えていたブレーキの問題が雨によって酷く影響するようになり、状況をコントロールして管理するのが難しくなってしまいました。その後はレース終了まで、クルマの同乗者のような感じで何も出来ませんでした」

「今日はポイント獲得が可能だっただけに、当然、僕もチームも苛立ちを感じています。受け入れがたい結果になりました」

トラブルについてテクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「色々と調整してみたものの上手くいかなかった」と説明し、次戦までに原因を突き止め、解決していく必要があると強調した。

「不安定な状態が続いた事でユーキは、ブレーキングにおいてプッシュできず、ラップタイムが悪化し、マクラーレン勢に追い抜かれ、コースアウトしてしまった」

ただ興味深いことに、ニック・デ・フリースの方は「この問題の影響が少なかった」という。

雨が降るまでの角田裕毅は完璧なレース運びをしていただけに、テクニカルトラブルによって貴重な2点を失ったのはチームにとっても非常に悔やまれるところだ。

エギントンは、角田裕毅はデ・フリースとは異なり「グレイニングを上手くコントロール」していたとして、ミディアムタイヤでの第1スティントまでは「全てが順調だった」と指摘した。

とは言え、悲しみと失望に浸っている暇はない。5日後にはスペインGPが開幕する。

角田裕毅は「まだ改善しなければならない事もありますが、同時に今週末から得られる前向きな材料がある事も確かです。気持ちを切り替えて次のバルセロナに集中していきたいと思います」と締め括った。

終盤の雨で混乱が生じた2023年F1第7戦モナコGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン（レッドブル）がポール・トゥ・ウインを飾り、フェルナンド・アロンソ（アストンマーチン）が2位に、エステバン・オコン（アルピーヌ）が3位表彰台に上がる結果となった。

カタロニア・サーキットを舞台とする次戦スペインGPは6月2日のフリー走行1で幕を開ける。

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