デ・フリースは「角田裕毅との差が大きすぎる」とレッドブル、後任候補に岩佐歩夢の名前を挙げる
苦戦続きのニック・デ・フリースについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、同じアルファタウリAT04に乗る「角田裕毅との差が大きすぎる」として、”最悪”の場合、岩佐歩夢かリアム・ローソンが後任としてステアリングを握る可能性があると認めた。
28歳の大型ルーキー、デ・フリースは昨年のイタリアGPで代役デビュー戦入賞という素晴らしい結果を残し、2023年のアルファタウリのフルシートを手にしたものの、開幕5戦を終えてローガン・サージェント(ウィリアムズ)と並び未だポイントを獲得できていない。
独「F1-Insider」とのインタビューの中でマルコは「今後3レース(注:イモラ、モナコ、スペイン)では何も起こらないだろう」と述べ、今すぐにデ・フリースの解雇を決断するほど状況は切羽詰まっていないと説明した。
たがこれは逆に言えば、スペインGPの2週間後に行われる第9戦カナダGPでデ・フリース以外のドライバーが角田裕毅のチームメイトを務める可能性がゼロでないという事でもある。
マルコは「サッカーで言えばレッドカードではないものの、イエローカードをもらった」状態であるとして、デ・フリースが状況を好転させる事ができなければ、一部で噂されていたサードドライバーのダニエル・リカルドではなく、2人のジュニアドライバーを後任として検討する考えを明らかにした。
「デ・フリースと話をしたところ、改善が必要という点で彼も我々と同じ意見だった。素晴らしい仕事をしているチームメイトの角田裕毅との差が大きすぎる」
「最悪のシナリオでは、我々は若手タレントプールに頼る事になるだろう。リアム・ローソンと岩佐歩夢の事だ。リカルドではない」
TEAM MUGENから今季スーパーフォーミュラに参戦するローソンは初戦でいきなり優勝を飾る離れ業を見せつけた。また、レッドブルとホンダの支援を受けFIA-F2選手権での2年目を迎えた岩佐歩夢は開幕4ラウンドを終えて2勝と、ランキング3位でタイトル争いに絡むセンセーショナルな活躍を示している。
なお、メルセデスのリザーブ・ドライバーとしてF1復帰を目指しているミック・シューマッハに関してマルコは「彼はメルセデスのドライバーであり、我々の計画には含まれていない。彼の責任者はトト・ウォルフだ」と述べ、除外した。
伝えられるところによるとウォルフは、サージェントの代わりにシューマッハにチャンスを与えるよう、昨年までの部下にしてウィリアムズのチーム代表を務めるジェームズ・ヴァウルズに働きかけているという。