アルピーヌとの複数年契約が発表されたフランコ・コラピント、2025年1月9日
Courtesy Of Alpine Racing

フランコ・コラピント、アルピーヌF1と複数年契約を締結…ウィリアムズから移籍

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BWTアルピーヌF1チームは欧州現地2025年1月9日、ウィリアムズ・レーシングとの合意を経て、フランコ・コラピントと複数年契約を締結したことを発表した。これにより21歳のアルゼンチン人ドライバーは、2025年シーズンのテスト兼リザーブドライバーを務めることとなった。

コラピントは2025年シーズンを通じて、複数のグランプリに帯同しながら、平川亮やポール・アーロンと共にTPC(旧車)プログラムを通じたドライビング業務を担当する。さらに、英国エンストンにあるアルピーヌのファクトリーにて、ドライバー・イン・ループ・シミュレーターを通してマシン開発とセットアップ作業に取り組む予定だ。

コラピントは2024年シーズンのイタリアGP前に、ローガン・サージェントに代わりウィリアムズからF1デビューを果たした。デビュー直後から高いパフォーマンスを見せ、最初の4戦中2戦でポイントを獲得し、レッドブルやアルピーヌといったトップチームの注目を集める存在となった。

しかし、シーズン終盤にかけて複数のクラッシュが影響し、評価をやや下げたことで、2025年シーズンにフルタイムドライバーの座を得ることはできなかった。それでも、今回のアルピーヌとの契約により、将来的なF1グリッド復帰に向けた足掛かりを築いた。

フランコ・コラピント(ウィリアムズ)、2024年8月29日(木) F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)Courtesy Of Williams

フランコ・コラピント(ウィリアムズ)、2024年8月29日(木) F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)

コラピントについて、アルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは「今、モータースポーツ界で最も有望な若手ドライバーの一人であることは明らか」であるとして、「ウィリアムズと合意に達し、フランコと契約できたことを非常に嬉しく思う」と述べ、若手としての潜在力を高く評価した。

「昨シーズンの彼のパフォーマンスには、多くの人々が驚かされた。私もその一人だ。ルーキーとしての彼のパフォーマンスは本当に印象的だった。我々が見据えているのはチームの将来だ。彼の加入により若手の層は一層厚くなる。今後の成功に向けた基盤がさらに強化されることだろう」

移籍発表を受け、コラピントは次のように語った。

「アルピーヌの一員になれる機会を得ることができ本当に嬉しい。まずは、ウィリアムズに感謝の気持ちを伝えたい。アカデミーに参加してからアブダビGPまで、夢のF1キャリアを実現させてくれた」

「アルピーヌと共に新しい章を迎えられることを光栄に思う。ルカ(デ・メオ)、フラビオ(ブリアトーレ)、オリバー(オークス)が僕を信じてチームに迎えてくれたこと、そして2024年シーズンを支えてくれたスポンサーやファンの皆に感謝している」

「特にアルゼンチンの素晴らしいファンの皆にも、心からの『Muchas gracias!(ありがとう)』を伝えたい。皆の情熱と応援は僕にとってかけがえのないものだ。2025年以降も、さらなる成功を目指していきたい」

コラピントのアルピーヌ加入のニュースは、2025年に初のF1フル参戦に臨むルーキーのジャック・ドゥーハンに大きなプレッシャーをかけることになるだろう。

エステバン・オコンの早期契約解除を受け、ドゥーハンはアブダビでの2024年シーズン最終戦でアルピーヌからグランプリデビューを果たし、2025年にはレギュラー・ドライバーとしてピエール・ガスリーとラインナップを組むことが発表されている。

しかしながら、アルピーヌは必要に応じてシーズン途中であってもドライバー変更を行う用意があるものと理解されており、コラピントはテスト兼リザーブドライバーとしてだけでなく、ドゥーハンの直接的なバックアップ要員としての役割も担っている可能性がある。