BWTアルピーヌF1チームは、2025年シーズンに向けて平川亮がテスト兼リザーブドライバー陣に加わることを発表した。この発表は東京オートサロン開催を目前に控えた2025年1月9日に行われた。

契約の一環として、平川亮は2025年シーズンを通じてアルピーヌのTPCプログラムに参加し、旧型マシンを使用してドライバーとしてのスキル向上に努めるとともに、チームのマシン開発を技術的にサポートする。また、シミュレーター業務にも従事し、データ収集やセットアップ作業を通じてマシンの性能向上に貢献していく。

さらに、4月4日に鈴鹿サーキットで開催される日本GPのフリープラクティス1（FP1）では、レギュラー・ドライバーのピエール・ガスリーまたはジャック・ドゥーハンに代わって2025年型マシン「A525」をドライブする予定だ。 日本人ドライバーが母国のF1セッションでステアリングを握る機会は、国内ファンにとって大きな話題となりそうだ。

平川亮は国内外で数々の成功を収めた日本を代表するトップドライバーの一人だ。スーパーフォーミュラやスーパーGTでのタイトル獲得経験を持ち、特に耐久レースにおける実績が際立つ。2022年にはトヨタのワークスドライバーとしてル・マン24時間レースを制覇し、2022年と2023年にはハイパーカー部門で2度のFIA世界耐久選手権（WEC）チャンピオンに輝いた。

昨年はマクラーレンのF1リザーブドライバーとして活動。最終アブダビGPではFP1デビューを果たし、現場で貴重な経験を積んだ。また、ポストシーズン・テストでは、トヨタと提携するハースF1チームの2024年型マシン「VF-24」を初めてドライブ。適応能力の高さを示した。

平川亮の加入についてアルピーヌのオリバー・オークス代表は「チームの現在のラインナップに多様なレース経験が加わり、シーズンを通じて活用できる人材の層が広がることになる。TPCプログラムやシミュレーター作業を通じて、チームの開発におけるさまざまな分野をサポートしてくれることを期待している」と述べ、歓迎した。

また、平川亮は次のように述べ、チームに貢献できるよう邁進すると誓った。

「BWTアルピーヌF1チームのテスト兼リザーブドライバーとして2025年シーズンに参加できることを光栄に思います。F1マシンでのドライブはレーシングドライバーにとって最高峰の経験であり、特に日本GPのFP1で母国の観衆を前に走るのが楽しみです」

「また、チームと協力して旧車でのテストに取り組むことも楽しみにしています。ドライバーとしての経験の幅を活かし、このような献身的なチームと仕事ができるのは素晴らしい機会です。チームの一員として、2025年をポジティブな一年にするため貢献したいと思います」