レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表と並んでパドックを歩くフェラーリのマッティア・ビノット代表、2022年5月28日F1モナコGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルF1代表ホーナー、フェラーリからの”ビノット後任オファー”を拒否との報道

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伝えられるところによるとレッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、マッティア・ビノットに代わる後任としてのスクーデリア・フェラーリからの移籍オファーを拒否したようだ。

マラネロ一筋でキャリアを積み重ねてきたビノットはシーズン中の更迭報道を経て、師走を前に辞表を提出。28年間に渡って過ごしたフェラーリを去る事を決断した。

フェラーリはビノット辞任発表以前の段階から既に何名かの後任候補にアプローチしていたものと見られている。AMuSによるとホーナーはアンドレアス・ザイドル(マクラーレン代表)と並ぶその内の一人で、マラネロが接触したのは昨年冬の事だった。

ただ、チャンピオンシップ2位復帰の成果を出してなお、職を辞さなければならないようなチームに移籍する事を望む者はいなかったようで、高待遇での打診にも関わらずホーナーを含む候補者は早々にこの誘いを断ったと言う。

伝えられるところによるとF1サンパウロGPを経て憶測が飛び交った際にフェラーリから発表された”火消し”の声明はビノットからの要請を受けてのもので、マラネロ上層部の指示によるものではなかった。

更迭報道以降、フェラーリのジョン・エルカーン会長とベネデット・ヴィーニャCEOが公にビノットを支持することは一度もなく、上層部は沈黙を保ち続けた。結果、ビノットが自らの意思で辞任を申し出るに至った。エルカーン会長とビノットは良好な関係になかったとされる。

新たなチーム代表についてフェラーリは現在選定中としており、遅くとも2月のプレシーズンテスト開始前までには任命される見込みだ。

代表不在期間を代行するのはヴィーニャCEOだ。RacingNews365は「シーズン中に5回しかグランプリに参加していないにも関わらず常に戦略に口出ししてきたとされるヴィーニャがチームのボスとして働く」と伝えた。

一方のビノットは6ヶ月間のガーデニング休暇を経て、他チームに移籍するものと思われる。チーム代表としての能力はさておき、有能なエンジンエンジニアとしてのビノットを欲するチームは幾らでもあろう。

今後、フェラーリがどのような方向性で新しいチーム代表を選ぶかはまだ分からないが、現時点での最有力候補はアルファロメオ(ザウバー)でチーム代表を務めるフレデリック・バスールとみられている。

背景にあるのは不確かな将来だ。買収へと至る規模かどうかは現時点では不明だが、アウディはザウバー・グループの株式を取得する計画を発表しており、バスールの中長期的地位は保証されていない。