田辺豊治、2018年F1オーストラリアGPにて
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ホンダF1「全体的にペース不足、今後のレースに向けて分析に取り掛かる」

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15日(日)に行われたF1第三戦中国GP決勝を終えて、ホンダF1プロジェクトの現場を統括する田辺豊治テクニカル・ディレクターがレースを振り返った。日曜の上海は朝から日差しが降り注ぐ好天で、レース開始時の気温は19℃、路面温度は39℃に上昇し、前日までの風も収まり今週末で一番いいコンディションとなった。

予選でタイムが伸びなかったトロロッソ・ホンダ勢。後方からの巻き返しを図るべく、チームは15番グリッドのブレンドン・ハートレーにウルトラソフトを、17番グリッドのピエール・ガスリーにミディアムを履かせるアグレッシブなタイヤ戦略を採用した。

序盤、ペースの上がらない2台はポジションを落とし、10周目にハートレーが早くもピットインしミディアムタイヤに交換。ガスリーは20周目にソフトタイヤに交換した。25周目時点でのポジションは、ハートレーが18番手、ガスリーが19番手と2台揃って後方に沈んだ。

レース中盤には、コミュニケーションミスに起因する同士討ちが発生。バックストレート後のターン14で接触し、ダメージを負ったハートレーは緊急ピットインを強いられた。アクシデントの責任を問われたガスリーには10秒ペナルティを科せられ、15位でチェッカーを受けたものの最終順位は18位。ブレンドン・ハートレーはギアボックスにトラブルを抱えリタイア(20位完走扱い)という形でレースを終えた。

全体的にペース不足、今後のレースに向けて分析に取り掛かる

ほんの数日前に行われたバーレーンでは力強いレースをお見せできましたが、ここ上海では相当に難しい週末を過ごす事になってしまいました。今日はその事が反映されたような残念な結果となってしまいました。

パワーユニットに関しては週末を通して全てが順調でしたが、全体的にレースペースが乏しかった事に加えてチームメート同士での接触もあり、残念な結果となってしまいました。

4週間で3戦を行うという慌ただしいスケジュールが続きました。この先のレースで速さを発揮していくためにも、これまでに得たデータや知見を評価・分析していきたいと思います。


決勝当日の上海インターナショナル・サーキット上空には青空が広がり、週末を通して最も暖かいコンディションの中でのレース開催となった。トロロッソ・ホンダ勢の相討ちによって出動したセーフティカーを利用し、果敢なタイヤ戦略を選んだレッドブルのダニエル・リカルドが、昨年のアゼルバイジャンGP以来となる大逆転勝利を上げた。

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