F1カナダGP:タイヤ規定違反のフェラーリに罰金、裁定分かれたノリスとピアストリ
F1カナダGPのスチュワードは6月7日(金)の聴聞会を経て、「タイヤ使用」に関するルールを定めたF1競技規定第30条5項l号違反があったとして、スクーデリア・フェラーリに罰金5000ユーロ(約85万円)を科す決定を下した。
雨が降る中で開始時刻を迎えた2回目のプラクティスでフェラーリは、FIAのウェット宣言を待たずに16号車SF-24にインターミディエイトタイヤを装着。コースに送り出した。シャルル・ルクレールは1周後にピットに戻った。
F1競技規定では、レースディレクターによるウェット宣言なしにフリー走行でインターミディエイトタイヤまたはウェットタイヤを使用する事を禁じている。
デレック・ワーウィックを含む4名の競技審判団はチーム代表者から話を聞き、ビデオ証拠を調査。第30条5項l号違反があったと判断した。
FP2では他に、マクラーレンの2台がそれぞれ、最終シケインを通過できなかった場合の規定の手順を守らずにコースに合流した疑いが持たれた。
ジル・ビルヌーブ・サーキットのターン14を通過できなかった場合、コーナーの出口付近に設置されているオレンジ色のボラードの左側を回ってコースに復帰しなければならないが、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは共に、この手順を守らなかった疑いがあるとしてセッション後に召喚された。
ドライバー及びチーム代表者の聴取ならびに映像証拠の調査を経てスチュワードは、ノリスを不問とする決定を下した。
レースディレクターのイベントノート項目15は「ターン9またはターン14を通過できず、エイペックスにあるオレンジ色の縁石の左側を通ったドライバーは、コーナー出口のオレンジ色のブロック/ボラードの左側を通って、ランオフの一番奥でトラックに合流しなければならない」と定めている。
ノリスについてスチュワードは、コース外に飛び出した際にオレンジ色の縁石に触れていたため、そもそもボラードの左側を回ってコースに戻る必要はなく、違反には当たらないとの判断を下した。
一方、僚友ピアストリに関してはオレンジ色の縁石に触れていなかったため違反の事実が認められたが、スチュワードは「天候条件を考慮し、危険な方法でコースに戻らないよう合理的な行動を取り、かつ持続的なアドバンテージを得なかった」として、警告処分に留める決定を下した。